アジとは

アジとは、スズキ目アジ科に分類される魚で、食用としてマアジ(真鯵)がよく知られています。

アジは塩焼きや煮付け、から揚げやフライなどの様々な料理に用いられ、新鮮なアジは刺身や寿司のネタ、なめろうとしても提供されます。日本では、アジは最もポピュラーな魚として、子供から大人まで幅広く食されています。

アジの旬の時期はいつ?

アジの旬の時期

アジは、一年を通じて食べることができる魚ですが、特に美味しいとされる旬の時期は5月~8月頃になります。春から夏にかけての時期は、脂が乗っていてアジが最も美味しいとされる時期です。

アジの漁獲量ランキング

アジ(真鯵)の日本一の漁獲量は長崎県です。続いて、第2位は島根県となります。長崎県と島根県で、アジの漁獲量は60%以上のシェアとなっています。また、アジ(真鯵)の養殖では、静岡県が全国1位となっています。

アジの種類は?

アジの種類

日本では、アジと言えばマアジを指しますが、アジには多くの種類があり、その数は約150種類にも及びます。代表的なアジとしては、マアジ、シマアジ、ムロアジなどがあります。

マアジ(真鰺)

マアジは、スーパーやコンビニなどでもよく見かける最もポピュラーなアジです。日本で1番食べられているのもマアジになります。マアジは全長が30cm~50cmほどで、脂が乗っている時期のマアジは身が太ってきます。関アジと呼ばれる大分県の高級ブランドのアジも、種類としてはマアジとなります。

シマアジ(縞鯵)

シマアジは、体に黄色い縦縞があることから縞鯵と呼ばれるアジです。養殖のシマアジは体長が30cm~50cmほどで、天然物は1メートルを超える大型のシマアジもあります。シマアジは、アジの中では最高級とされ、特に天然物は高級魚として高値で取引されています。

ムロアジ(室鯵)

ムロアジは、マアジなどと比べると脂の乗りが少ない特徴があり、一般的には刺身などの鮮魚ではなく、干物として販売されることが多い魚です。アジ科ムロアジ属のクサヤモロ(アオムロ)は、くさやの干物の材料として使われています。

アジの栄養は?

アジの栄養

アジは、栄養豊富な魚です。特にオメガ3脂肪酸のDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)が含まれていますので、アジは健康効果の高い食材と言えます。

タンパク質

アジは高品質のタンパク質を豊富に含んでいます。タンパク質は筋肉の修復と成長、免疫系の機能、ホルモンの生成など、体内の様々ばプロセスに役立ちます。

オメガ3脂肪酸(EPA、DHA)

アジは健康的なオメガ3脂肪酸(EPA、DHA)を豊富に含んでいます。EPA、DHAの脂肪酸は心臓病のリスクを低減し、脳の機能を維持し、炎症を抑制する効果があるとされています。

ビタミンD

アジに含まれるビタミンDは、骨の健康を維持するためにカルシウムの吸収を助け、免疫系の機能を強化する役割を果たします。

ビタミンB群

アジはビタミンB12とビタミンB3・ナイアシンを豊富に含んでいます。ビタミンBはエネルギーの生成、神経系の機能、DNAの修復と合成などに重要な役割を果たします。

ミネラル

アジは鉄や亜鉛、カリウムなどのミネラルを豊富に含んでいます。ミネラルは血液の健康、免疫機能の強化、筋肉の動き、神経の伝達など、体内の多くのプロセスに重要です。

アジの効果や効能とは?

アジの効果や効能

アジには、様々な健康効果があるとされています。アジはタンパク質、オメガ3脂肪酸、ビタミンD、ビタミンB12など、人間の健康に有益な栄養素を豊富に含んでいるためです。

心臓病の予防

アジに含まれるオメガ3脂肪酸は、心血管系の健康に良いとされており、心臓病のリスクを低下させる可能性があります。

認知症の予防

オメガ3脂肪酸は脳の機能を維持し、記憶力や学習能力を改善し、認知症の予防にも寄与すると言われています。

骨粗鬆症の予防

アジはビタミンDとカルシウムを含んでおり、ビタミンDとカルシウムは骨密度を維持し、骨粗鬆症の予防に役立つとされています。

抗酸化作用

アジにはセレンというミネラルも含まれています。セレンには強力な抗酸化作用があり、細胞を活性酸素・フリーラジカルの損傷から保護します。

免疫機能の強化

ビタミンB12、ビタミンD、セレンなどは免疫系の健康を支える重要な栄養素で、摂取することで免疫機能が強化されると考えられています。

アジを食べるメリットとは?

アジを食べるメリット

アジは、栄養豊富で1年中食べることができる非常に便利な食材です。また、アジは塩焼きや揚げ物、南蛮漬けや刺身など、様々な料理として楽しむことができます。

栄養豊富

アジは良質なタンパク質、心臓病予防に役立つオメガ3脂肪酸、ビタミンD、ビタミンB12、ミネラルなどを豊富に含む栄養価の高い魚です。

手に入りやすい

アジは日本全国の海域に生息し、年間を通して市場に出回っています。そのため、新鮮なアジを比較的安価で手に入れることができます。

調理法が豊富で美味しい

アジは新鮮なうちは刺身や寿司ネタとして、また焼き魚やフライ、煮付けといった様々な調理法で美味しくいただけます。特に、アジの脂がのった春から夏にかけては、アジの風味が格別です。

釣りの対象魚としての人気

アジは、釣りの対象魚としても非常に人気があります。手軽に楽しむことができ、初心者から経験豊富な釣り人まで幅広く楽しまれています。

アジのデメリットとは?

アジのデメリット

アジは、その美味しさと高い栄養価から、適切に取り扱い、適量を摂取することで、健康に良い食品として評価されています。しかし、健康に良いとされるアジにも、いくつかのデメリットがあります。

水銀の蓄積

アジは、体内に水銀を蓄積する可能性があります。長期間に渡って大量に摂取すると、水銀中毒のリスクがあります。妊娠中や授乳中の女性、小さな子供は特に注意が必要です。

傷みやすい・鮮度が落ちるのが早い

アジは鮮度の低下が早く、特に夏場はすぐに臭みが出てしまう傾向があります。新鮮なアジの見分け方は、小顔で体が大きいもの、目が黒くてくっきりしているもの、体に光沢があるものを選ぶのがポイントです。

アレルギーのリスク

アジは魚アレルギーを持つ人にとって、反応を引き起こす可能性があります。魚アレルギーのある人は、アジを含む食品を避ける必要があります。

骨が多い

アジは小さな骨が多いため、料理や食事の際に注意が必要です。特に子供や高齢者には誤飲の危険があります。

アジのおすすめの食べ方

アジのおすすめの食べ方

アジは、新鮮さと旬を活かした様々な調理法で楽しむことができます。特に、アジのなめろうやアジフライ、アジの南蛮漬けなどは非常に人気の高いメニューです。

アジフライのレシピ

アジフライのレシピ

アジフライは、パリッとした食感とアジの味わいが楽しめる料理です。手軽に作れて美味しいアジフライは、ご飯のおかずはもちろん、おつまみにも最適です。お好みでソースを変えて楽しむのもおすすめです。

アジフライの材料(2人分)

アジ:4尾
塩:少々
小麦粉:適量
卵:1個
パン粉:適量
サラダ油:適量
レモン:1個
タルタルソース:適量

アジフライの作り方

1.アジの頭と内臓を取り除き、3枚におろし、骨を取り除きます。
2.アジに塩を振り、10分ほど置いてからキッチンペーパーで水分を拭き取ります。
3.アジに小麦粉をまぶし、余分な粉をはたき落とします。次に溶き卵にくぐらせ、最後にパン粉をつけます。
4.フライパンにサラダ油を入れて熱し、アジを並べます。中火で揚げ、片面がキツネ色になったら裏返し、もう一方の面も揚げます。
5.揚げたアジをキッチンペーパーの上に置いて、余分な油を吸い取ります。
6.アジフライを皿に盛り、レモンを添えます。お好みでタルタルソースをかけて完成です。

アジのなめろうのレシピ

アジのなめろうのレシピ

アジのなめろうは、新鮮なアジと一緒に調味料や野菜をすりつぶして作る、日本の伝統的な料理です。また、アジのなめろうは、ビールや日本酒のおつまみとしても最適です。ご飯の上にのせて、丼物としても美味しくいただけます。

アジのなめろうの材料(2人分)

アジ:2尾
みそ:大さじ1
長ねぎ:1本
しょうが:1片
青唐辛子:1本(お好みで)
醤油:適量

アジのなめろうの作り方

1.アジの頭と内臓を取り除き、3枚におろします。骨を取り除き、包丁で身をたたきながら細かく刻みます。
2.しょうがと長ねぎは、みじん切りにします。青唐辛子は種を取り除き、細かく刻みます。
3.ボウルに刻んだアジと野菜、みそを入れてよく混ぜ合わせます。この時点で食べてみて、必要に応じて醤油を加えて味を調えます。
4.なめろうはそのままでも美味しくいただけますが、なめろうを焼いても(さんが焼き)美味しいです。オーブンやグリルで焼く場合は、中までしっかりと熱が通るようにしてください。

アジのなめろうの注意点

アジのなめろうは、アジの鮮度が味を大きく左右します。新鮮なアジを使うことが最も重要なポイントです。また、なめろうは生の魚を使用しますので、食材の衛生状態には十分注意してください。

アジの南蛮漬けのレシピ

アジの南蛮漬けのレシピ

アジの南蛮漬けは、酸味と甘味が特徴的な南蛮酢にアジを漬け込んだ料理で、さっぱりとしていて非常に美味しいです。アジの南蛮漬けは、ご飯のおかずやおつまみとして楽しむことができます。また、一晩漬け込むと味がよく染みてさらに美味しくなります。

アジの南蛮漬けの材料(2人分)

アジ:4尾
塩:少々
小麦粉:適量
サラダ油:適量
人参:1本
玉ねぎ:1個
ピーマン、又はパプリカ:1個

南蛮酢の材料

酢:50ml
砂糖:2大さじ
醤油:2大さじ
水:50ml

アジの南蛮漬けの作り方

1.アジの頭と内臓を取り除き、3枚におろして骨を取り除き、一口大に切ります。アジに塩を振り、10分ほど置いてからキッチンペーパーで水分を拭き取ります。
2.アジに小麦粉をまぶし、フライパンに熱したサラダ油で揚げます。両面がきつね色になったら取り出し、キッチンペーパーで余分な油を吸い取ります。
3.人参と玉ねぎは薄切りにし、ピーマン、又はパプリカは種を取り除いて細切りにします。
4.別の鍋に南蛮酢の材料を入れて火にかけ、砂糖が溶けたら人参と玉ねぎを加えて煮ます。
5.人参と玉ねぎが透明になったら火を止め、ピーマン、又はパプリカを加えます。
6.揚げたアジを南蛮酢に加え、全体がよく絡むように混ぜます。
7.そのまま冷蔵庫で1時間以上冷やし、味をなじませたら完成です。

アジの美容・美肌効果やアンチエイジング効果とは?

アジの美容・美肌効果やアンチエイジング効果

アジには、美容に効果的な栄養素が豊富に含まれています。アジの栄養素を摂取することで、美肌を保つだけでなく、健康な髪や爪を維持する効果も期待できます。

アジを食事に取り入れることで、内側からの美容ケアを実現することができます。

肌のハリ・ツヤの改善

アジに含まれているオメガ3脂肪酸には、血液をサラサラにし、血行を改善する効果があります。血行が良くなると肌細胞に栄養が行き届き、新陳代謝が促進されますので、肌のハリやツヤが改善され、美肌効果が期待できます。

肌の老化の防止・シミやシワの予防

アジに含まれるビタミンEには強い抗酸化作用があり、体内の活性酸素を除去する効果があります。アジを食べることで、肌の老化を防ぎ、シワやシミを予防する効果が期待できます。

肌細胞の再生・髪や爪の健康

アジに含まれているタンパク質は、体の組織を構成する基本的な栄養素であり、肌や髪、爪の健康に必要です。アジを食べることで、肌のターンオーバーを正常に保つことが可能となります。

皮膚の健康効果

アジに含まれるビタミンDは、骨を丈夫にするだけでなく、免疫機能の強化や皮膚の健康にも寄与します。