HIITとは、High-Intensity Interval Trainingの略で、高強度インターバルトレーニングと言います。HIITは、短い時間の高強度運動と低強度運動を交互に行う運動方法です。
高強度のエクササイズとは、あなたが全力を尽くすレベルの運動を指します。 一般的には、運動強度は最大心拍数の80%以上になることが多いです。次に、インターバルとして高強度運動の後に、低強度の運動、又は休息を取り入れます。これにより体は一時的に回復することができ、次の高強度の運動に備えます。
通常、HIITのセッションは数分から30分ほどまでで、その効率的な性質から、多忙な人にとって特に有用です。また、HIITは心肺機能を向上させ、体脂肪を減らす助けとなり、筋肉の耐力を高める可能性があると言われています。
HIITのやり方は?
HIIT(高強度インターバルトレーニング)の基本的なやり方は、高強度のエクササイズと低強度のエクサイズ、又は休息を交互に繰り返すことです。下記の例は基本的なもので、運動の種類、高強度と低強度の期間、セット数は個々のフィットネスレベルや目標に応じて調整することができます。
注意点として、HIITは激しい運動なので、まずは医師やトレーナーに相談し、自分の体調とフィットネスレベルを確認することが重要です。また、適切なフォームと技術を維持することも重要で、これにより怪我のリスクを最小限に抑えることができます。
ランニングでのHIIT
1.5分間のウォームアップ(軽いジョギングやストレッチ)
2.1分間の全力でのスプリント
3.1分間のゆっくりとしたウォーキング、又はジョギング
4.上記のスプリントとウォーキングを5回~10回繰り返す
5.5分間のクールダウン(ゆっくりとしたウォーキングやストレッチ)
ボディウェイトエクササイズでの機器を必要としないHIIT
1.5分間のウォームアップ(軽いジョギングやストレッチ)
2.30秒間の全力でのバーピー
3.30秒間の休息
4.30秒間の全力でのマウンテンクライマー
5.30秒間の休息
6.上記のバーピーとマウンテンクライマーを5~10回繰り返す
7.5分間のクールダウン(ゆっくりとしたウォーキングやストレッチ)
HIITのメニューは?
HIIT(高強度インターバルトレーニング)は、その人の運動レベルや利用可能な機器、利用可能な時間、目標によって大きく異なります。下記に、いくつかの異なるHIITメニューの例を記載します。
機器を使わないボディウェイトHIITワークアウト
1.ウォームアップとして、軽いジョギングやストレッチで5分間
2.バーピー30秒全力
3.休息30秒
4.マウンテンクライマー30秒全力
5.休息30秒
6.ジャンプスクワット30秒全力
7.休息30秒
8.プッシュアップ30秒全力
9.休息30秒
10.上記を3~5セット繰り返す
11.クールダウンとして、ゆっくりとしたウォーキングやストレッチで5分間
器具を使用したジムでのHIITワークアウト
1.ウォームアップとして、トレッドミル、又はエリプティカルでの軽いジョギングやストレッチで5分間
2.ローイングマシン1分間全力
3.休息1分間
4.ステップミル1分間全力
5.休息1分間
6.バイク(スピンバイク等)1分間全力
7.休息1分間
8.上記を3~5セット繰り返す
9.クールダウンとして、ゆっくりとしたウォーキングやストレッチで5分間
HIITの種類は?
HIIT(高強度インターバルトレーニング)は一つの特定の運動方法ではなく、任意の運動を高強度と低強度、又は休息の間隔を設けて行う手法です。この原則を元に、様々な種類のHIITがあります。
下記のHIITは一部の形式であり、実際には様々な運動種目や運動強度、間隔の長さ、セッションの長さを組み合わせて、個々の目標や適応度に合わせてカスタマイズすることが可能です。
タバタトレーニング
タバタトレーニングのHIITは、日本のスポーツ科学の田畑泉教授が開発したもので、20秒の全力運動と10秒の休息を8ラウンド(合計4分)繰り返します。タバタトレーニングは非常に高強度であり、短時間で大きな効果を引き出すことができます。
タバタトレーニングとは?ダイエット効果やメリット・デメリット
EMOM(Every Minute on the Minute)
EMOMでは、毎分開始時に指定された運動を実行し、残りの時間を休息とします。たとえば、15回のバーピーを毎分開始時に行い、残りの時間を休息とするなどです。
Fight Gone Bad(クロスフィット)
Fight Gone Badは、5つの異なるエクササイズを1分間ずつ行い、その後、1分間の休息を取ります。これを3ラウンド~5ラウンド繰り返します。Fight Gone Badのトレーニングは、元々クロスフィットの一部として開発されました。
HIITと筋トレの違い
HIIT(高強度インターバルトレーニング)と筋トレ(筋力トレーニング)は、運動の目的と手法が異なりますが、HIITと筋トレのどちらもフィットネスと全体的な健康に役立つ運動形式です。
HIITと筋トレの運動形式は、互いに決められた形式ではなく、実際には多くのトレーニングプログラムや運動計画の組み合わせで使用されます。各運動の特性を理解し、自分のフィットネス目標や健康状態に応じて適切に選択・調整することが重要です。HIITと筋トレは適切なフォームとテクニックを維持し、必要ならばプロフェッショナルの指導を受けることが重要です。
HIIT(高強度インターバルトレーニング)の違い
HIITは高強度の運動期間と低強度の運動、又は休息期間を交互に繰り返す運動法です。HIITは主に心肺機能を向上させることに焦点を当てていますが、一部の筋力も向上させることができます。
また、HIITは大量のカロリーを短時間で消費し、体脂肪の減少に効果的です。HIITはランニング、サイクリング、ボディウェイトエクササイズなど、様々なエクササイズに適用できます。
筋トレ(筋力トレーニング)の違い
筋トレは筋肉の強さ、大きさ、持久力を増やすことを目的とした運動です。筋トレは重量を持ち上げるウェイトトレーニング、押す、引くなどのエクササイズで行われ、特定の筋肉群に焦点を当てます。
また、筋トレは身体組成を改善し、筋肉の量を増やすことで基礎代謝率を上げることができ、長期的に体脂肪の減少に寄与します。筋トレは骨密度を向上させ、骨粗しょう症のリスクを減らすことも示されています。
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HIITのメリットやダイエット効果は?
HIIT(高強度インターバルトレーニング)は、効率的な運動の性質から非常に人気のある運動方法で、多くの健康効果やフィットネス効果のメリットがあります。
心肺機能の向上
HIITは心臓と肺を強く働かせるため、心肺機能が向上します。HIITを行うことで、日常生活や他のスポーツでのパフォーマンスを向上させることができます。
カロリーの大量消費と体脂肪の減少
HIITは高強度のエクササイズでカロリーを大量に消費し、さらにエクササイズ後も高いエネルギー消費を続けるという運動後過剰酸素消費(EPOC)が報告されていますので、HIITはカロリー消費にも体脂肪の減少にも効果的です。
筋力と持久力の向上
特定の筋肉群を対象としたボディウェイトエクササイズやウエイトトレーニングなどのHIITエクササイズは、筋力と筋肉の持久力を向上させることができます。
短時間で効果的な運動
HIITはその性質上、短時間で高い効果を得ることができます。特に時間が限られている人にとって大きなメリットとなります。
インスリン感受性の向上と血糖値の管理
一部の研究では、HIITがインスリン感受性を向上させ、血糖値の管理に役立つことが示されており、糖尿病予防にも期待できます。
自由度が高く運動の種類が多い
HIITはランニング、サイクリング、ロープスキップ、ボディウェイトエクササイズなど、様々な運動を高強度と低強度の間隔を設けて行うことができます。
特別な器具を使わずに運動できる
HIITはジョギングやボディウェイトエクササイズなど、特別な器具を必要としない運動で実行できます。運動場所に制限がある場合や器具へのアクセスが限られている場合に特に便利です。
HIITのデメリットは?
HIIT(高強度インターバルトレーニング)には、いくつかの注意点やデメリットがあります。HIITは、これらの潜在的なデメリットを理解し、適切なガイダンスと監視の下でHIITを行うことで、怪我のリスクを最小限に抑え、効果的にトレーニングを進めることができます。
また、HIITの運動形式が全ての人に適しているわけではないため、自分のフィットネスレベルや健康状態、目標に合わせて適切な運動形式を選ぶことが重要です。
怪我のリスク
HIITは高強度のエクササイズを含むため、初めて挑戦する人、適切なフォームやテクニックを理解していない人は、怪我のリスクが高まる可能性があります。
過度の疲労・オーバートレーニング症候群
HIITは身体に大きな負荷をかけるため、適切な休息や回復の期間を設けないと、過度の疲労やオーバートレーニング症候群に繋がる可能性があります。
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特定の病気や疾患を持つ人のデメリット
HIITは高い強度のエクササイズが求められるため、フィットネスレベルが低い人や特定の健康状態を持つ人にとっては、HIITが適していない場合があります。心臓病、関節疾患、高血圧などの病状を持つ人は、医師の許可を得てからHIITを行うことが推奨されます。
モチベーションの維持が難しい
HIITは身体的にも精神的にも挑戦的なエクササイズであるため、一部の人にとってはモチベーションを維持するのが難しいかもしれません。
HIITのトレーニングは週に何回?
HIIT(高強度インターバルトレーニング)の頻度は、個々のフィットネスレベル、目標、スケジュール、回復能力によりますが、一般的には週に2回~3回のHIITが推奨されます。
HIITは身体に大きなストレスをかけるため、適切な回復時間が必要です。回復時間には筋肉が修復され、強くなる時間も含まれます。そのため、連続した日にHIITを行うのは避け、セッションの間には最低でも24時間~48時間の休息を取ることが推奨されます。
また、HIITだけではなく、低強度有酸素運動、筋力トレーニング、ストレッチング、バランス・柔軟性トレーニングなど、他の種類の運動を組み合わせることで、よりバランスの良いフィットネスプログラムを作成できます。他の運動を取り入れることは、全身の筋肉バランスを保つと共に、怪我の予防にも役立ちます。
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HIITは何日で効果が出る?
HIIT(高強度インターバルトレーニング)の効果が現れるまでの時間は、個々の身体の状態やフィットネスレベル、食事や休息の期間、トレーニングの頻度や強度など、多くの要素によって変わります。
一般的には、HIITを始めてから数週間から1ヶ月の間に、心肺機能の向上や身体的なエネルギーレベルの増加などの初期の変化に気づくことができるでしょう。具体的な体重減少や体脂肪率の低下、筋力や筋持久力の向上を確認できるまでには、少なくとも3ヶ月~半年程度の一貫したトレーニングと健康的な食生活が必要になることが一般的です。
また、運動は体重減少や身体的な外観の変化だけでなく、心臓病、2型糖尿病、高血圧などの慢性疾患のリスクを低減するといった健康上の利益もあります。
HIITの最強メニューは?
HIITの最強メニューというのは、個々のレベルや身体の状態によるところが大きいですが、一般的に非常に効果的とされるHIITのエクササイズをいくつか記載します。
バーピー
バーピーは全身を使うエクササイズで、大量のカロリーを燃焼し、心肺機能を高めることができます。
スプリント
全力での短距離走は、大量のカロリーを消費させ、心臓と肺を強化します。
ジャンプスクワット
ジャンプスクワットは下半身の筋肉を強化し、心肺機能を向上させるのに役立ちます。
マウンテンクライマー
マウンテンクライマーは全身運動であり、心臓、肺、大腿四頭筋を鍛えます。
高速スキップ
高速スキップは心拍数を上げ、全身を使ってカロリーを燃やします。
最強メニューのHIITワークアウトの例
1.バーピーを30秒間全力で行い、次に30秒間休息します。
2.スプリントを30秒間全力で行い、次に30秒間休息します。
3.ジャンプスクワットを30秒間全力で行い、次に30秒間休息します。
4.マウンテンクライマーを30秒間全力で行い、次に30秒間休息します。
5.高速スキップを30秒間全力で行い、次に30秒間休息します。
上記を1セットとし、このセットを5回繰り返すと良いでしょう。ただし、自分のフィットネスレベルに応じて、エクササイズの強度や休息時間を調整してください。