馬肉(桜肉)とは、馬の肉を指します。人間が食用とするために用いられる肉の一種です。
馬肉は世界各地で様々な料理に使われていますが、日本では刺身として生で食べる馬刺し、馬肉をすき焼きのように食べる桜鍋、馬肉を鉄板で焼いて食べる焼き肉などが有名です。馬刺しのたたき、義経鍋、馬肉のユッケ、馬肉のカルパッチョなどもあります。
馬肉は赤身で脂肪分が少なく、ビタミンB群や鉄分を豊富に含んでおり、風味豊かで深みのある味わいが特徴的です。
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馬肉の栄養は?
馬肉は非常に栄養価が高い食品です。また、馬肉は高タンパク・低カロリーの食材となりますので、体重が気になる人やダイエット中の人にも最適なです。
たんぱく質
馬肉は、たんぱく質を豊富に含んでいます。たんぱく質は体の細胞を修復し、新しい細胞を作るのに必要な栄養素です。
鉄分
馬肉は鉄分も非常に豊富で、特にヘム鉄(肉類に多く含まれる鉄)が多いことが特徴です。また、鉄分は血液中のヘモグロビンの成分で、酸素の体内輸送に不可欠です。
ビタミンB群
馬肉は特にビタミンB12が豊富に含まれています。これは神経機能の維持や赤血球の生成に必要な栄養素です。
亜鉛
亜鉛は免疫機能の維持や細胞分裂に関与するミネラルで、馬肉にも豊富に含まれています。
馬肉の効果や効能は?馬肉を食べるメリット
馬肉に含まれる栄養成分から、免疫力の強化や貧血予防などの効果が期待できます。また、馬肉は高タンパク・低脂肪のお肉となりますので、ダイエット効果や美容効果も期待できる食材です。
エネルギー供給
馬肉はたんぱく質が豊富で、エネルギー源としての役割を果たします。また、ビタミンB群はエネルギー代謝を助けることで知られています。
免疫力の強化
馬肉に含まれる亜鉛は、免疫機能の維持に重要です。また、ビタミンB6も免疫機能をサポートするとされています。
貧血予防
馬肉にはヘム鉄が豊富に含まれており、これは体により吸収されやすい形の鉄です。鉄は赤血球の生成に必要で、鉄不足は貧血の原因となるため、馬肉は貧血予防に役立つと考えられます。
栄養価が高い
馬肉はビタミンB群、鉄、亜鉛など、体にとって重要な栄養素を豊富に含んでいますので、非常に栄養価の高い食材です。
筋肉の増強と修復
馬肉は高品質のたんぱく質を提供し、これは筋肉の成長と修復に必要なアミノ酸を含んでいます。特に運動を行っている人にとって、適度なたんぱく質の摂取は、筋肉の回復と増強に有益です。
心血管疾患の予防
馬肉は低脂肪で、カロリーコントロールに役立つ可能性があります。これは心血管疾患のリスクを減らすのに有用です。
ヘルシーで美味しい
馬肉はヘルシーで、独特の深みのある風味と滑らかな食感が特徴的な美味しいお肉です。
日本の食文化
馬肉は日本の伝統的な食文化の一部であり、馬刺しや桜鍋などの形で楽しむことができます。
馬肉のおすすめの食べ方や調理方法は?
日本での馬肉の調理法は、主に馬刺しとして生のまま食べることが多いです。また、冬場には桜鍋として食べることも多くなります。その他にも、馬肉の焼肉、馬肉のしゃぶしゃぶ、馬肉のユッケなどがあります。海外では、牛肉の代わりにハンバーガーのパテとして馬肉を利用することもあります。
馬刺し
日本で最もポピュラーな食べ方は、馬肉を生で食べる馬刺しです。非常に新鮮な馬肉を薄くスライスし、醤油やわさび、ごま油などの調味料で味付けをして食べます。馬刺しは、馬肉の風味と食感を最大限に楽しむことができる食べ方です。
桜鍋
馬肉をすき焼きのように食べる桜鍋も、非常に美味しいおすすめの食べ方の一つです。お店によっては、馬肉をしゃぶしゃぶのように食べる桜鍋の食べ方もあります。
義経鍋
義経鍋は、青森県や岩手県、長野県などで食べられている鍋料理です。ジンギスカンに似た料理とも言えます。
義経鍋はその名の通り、源義経が平泉から落ち延びる途中で、兜を鍋の代わりにして食べたことが発祥とされる料理です。鉄板の中心部が鍋になっており、中央の鍋で野菜を煮込み、水炊きとしていただきます。周りの鉄板では、馬肉を焼き肉のように焼いていただきます。
馬肉の焼き肉
馬肉を塩コショウでシンプルな味付けにした後、グリルや焼き網で焼く食べ方もあります。特に肉質が良く、脂が少ない馬肉は、焼くとその風味が引き立ちます。
馬肉シチュー・馬肉カレー
馬肉はシチューやカレーなどの煮物にも適しています。肉の旨みがじっくりと引き出され、料理全体の風味を高めます。
馬肉のハンバーガー
牛肉の代わりに馬肉を使って、ハンバーガーパティを作ることも可能です。ハンバーガーは、特にヨーロッパの一部地域で見られる調理法で、馬肉の独特の風味が新たな美味しさを提供します。
馬肉と牛肉の違いとは?
馬肉と牛肉には、味や栄養価、調理方法など、いくつかの違いがあります。
味と食感の違い
馬肉は、一般的に深みのある風味と滑らかな食感が特徴的で、少し甘みを感じることもあります。一方、牛肉は肉質や部位によりますが、より甘みがあり、脂肪の含有量により食感が変わります。
栄養価の違い
馬肉も牛肉も、どちらも良質のタンパク源であり、ビタミンB群、鉄、亜鉛などの栄養素を含んでいます。ただし、馬肉は一般的に牛肉よりも脂肪が少なく、カロリーも低い傾向にあります。
食べ方や調理方法の違い
地域にもよりますが、牛肉は焼肉やステーキ、シチューや炒め物、ハンバーガーなどに用いられるのに対し、馬肉は馬刺し(生肉)や焼肉、煮物や鍋料理などに使われます。
文化的な違い
地域や文化により、牛肉と馬肉への見方は大きく異なります。牛肉は世界中で広く食べられていますが、ヒンドゥー教や仏教などの一部の宗教では牛肉の摂取は禁止されています。一方、馬肉は一部の地域や文化で広く受け入れられていますが、馬を乗用や作業用として重要視する文化では、馬肉の消費はタブーとされます。
馬肉の日本国内の産地は?
日本国内では、熊本県が断トツで馬肉の生産量1位となっています。2位が福島県、3位が青森県、4位が福岡県、5位が山梨県と続きます。
熊本県は馬刺し発祥の地
熊本県は日本で最も馬肉生産が盛んな地域です。熊本県は「馬刺し発祥の地」とされ、馬刺しは熊本県の名産となっています。
諸説ありますが、熊本藩初代藩主の加藤清正が朝鮮出兵した際に、食べるものがなくなり軍馬を食べたことが始まりとされています。馬肉はとても美味しく、加藤清正が気に入り、日本に戻ってからも好んで馬刺しを食べたと伝わっています。
日本三大馬刺しの福島県・長野県
福島県と長野県は、日本三大馬刺しとしても有名です。福島県は会津馬刺しとして馬刺しの名店も多く、非常に人気があります。長野県では馬刺しの他にも、おたぐりという馬の腸を煮込んだ郷土料理もあります。
馬肉を食べる国と食べない国の違い
馬肉は、世界中で広く食べられている食材ではありますが、国や地域によっては馬の肉を食べない国もあります。
馬の肉を食材として食べる国・地域
馬を食材(馬肉食)としている国は、日本をはじめ、フランス、オーストリア、イタリア、スイス、ベルギー、ルーマニア、アイスランド、オランダ、ノルウェー、スロベニア、スウェーデン、カザフスタンなどです。カナダやモンゴルでは、地域によって食用としている地域、食用としていない地域があります。
馬の肉を食べない国・地域
馬を食材として食べない国は、アメリカ、イギリス、アイルランド、オーストラリア、ウルグアイ、中国などです。国によっては、馬肉食を禁止している国やタブーとなっている国や地域もあります。日本では競走馬や乗馬に携わる人は、馬肉を食べない傾向があります。
馬肉のデメリットとは?
馬肉には多くの栄養面でのメリットがありますが、一部の人にとってはデメリットがあるかもしれません。
食物アレルギー
一部の人は、馬肉に対してアレルギー反応を示す可能性があります。馬肉アレルギーは比較的稀ですが、発生すると皮膚の発疹、腫れ、かゆみ、呼吸困難などの症状を引き起こすことがあります。
食中毒や感染症のリスク
生の馬肉を食べる場合、食材の衛生状態や新鮮さが不十分であると、食中毒のリスクがあります。食材を適切に調理し、保存することでリスクを最小限に抑えることができます。
宗教的・文化的な理由
一部の宗教・文化では、馬肉の摂取が禁止されているか、又は忌避されています。馬が宗教的・文化的な理由から、特別な地位を持つ場合や馬肉が食用として認められていない地域があるためです。
動物福祉の懸念
馬肉の生産過程で、動物福祉の問題が生じる可能性があります。馬肉を選ぶ際には動物が適切に扱われ、良い環境で育てられていることを確認することも大切です。
馬肉のダイエット効果とは?
馬肉は牛肉や豚肉と比べて、低脂肪で低カロリーの食材です。そのため、馬肉はカロリーコントロールを行うダイエットに取り入れやすい食材と言えます。また、馬肉は高タンパクな食材となりますので、筋肉の成長や修復を支え、筋肉量を維持しながら体重を減らすことが可能です。
馬肉に含まれるタンパク質は、食後の満腹感を高め、食事の間隔を持続するのに役立ちます。食事の量を自然に減らすことができ、過剰なカロリー摂取を抑制できます。
低脂肪・低カロリーによる効果
馬肉は低脂肪であり、カロリーコントロールに役立つとされています。馬肉を食べることで、カロリー摂取量を抑えながら、必要な栄養素を摂取することができます。
高タンパク質による基礎代謝の向上
馬肉は高タンパク質であり、筋肉の成長と修復を支えます。ダイエット中でも筋肉量を維持することは重要で、筋肉量が多いほど基礎代謝が上がり、カロリー消費が増えます。
満腹感が得られる効果
タンパク質は食物の中で最も満腹感を得やすい栄養素で、食事後の満足感を高める効果があります。馬肉は無駄な間食を抑えるのに役立つ可能性があります。
栄養不足を防ぐ効果
馬肉はビタミンB群、鉄、亜鉛など、体にとって重要な栄養素を豊富に含んでいます。これらの栄養素は、健康的な身体機能を維持し、ダイエット中の栄養不足を防ぐのに役立ちます。
馬肉のカロリーは?
馬肉のカロリーは、部位や調理法により異なりますが、一般的には100gあたり約110kcal~120kcal程度です。ちなみに、牛肉のカロリーは100gあたり約350kcal、豚肉のカロリーは100gあたり約300kcalとなりますので、馬肉は非常にカロリーが低い食材です。
馬肉のプリン体は?
プリン体は、特に痛風や腎臓病の患者にとって重要な栄養成分です。プリン体は尿酸の原料となり、尿酸値が高くなると痛風の発作を引き起こす可能性があります。また、腎臓病の患者は尿酸を適切に排出する能力が低下しているため、プリン体の摂取量に注意する必要があります。
そこで、馬肉のプリン体は100gあたり約80mg~120mg程度となります。牛肉の肩ロースのプリン体が100gあたり約90mg、牛肉のヒレが100gあたり約100mgです。豚肉の肩ロースのプリン体は100gあたり約95mg、豚肉のヒレが100gあたり約120mgとなりますので、おおむね馬肉は牛肉・豚肉と同じくらいのプリン体と言えます。そのため、牛肉と豚肉に比べて、馬肉のプリン体が極端に多いということはありません。
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レバーはプリン体が多い食材
ただし、レバーを食べる際は、特に注意が必要です。牛肉のレバーはプリン体が100gあたり約220mg、豚肉のレバーは100gあたり約280mg、鶏肉のレバーは100gあたり約310mgというように、どの肉でもレバーはプリン体が非常に多くなっています。
馬肉のレバーを食べる時は、一度に大量に食べることは避けて、少量を楽しむのが良いでしょう。
馬肉の美容効果や美肌効果とは?
馬肉を食事に取り入れることで、美容効果や美肌効果が期待できます。また、馬肉にはダイエット効果もありますので、馬肉を食べることで健康的な体を手に入れることが可能です。
肌のハリや弾力を保つ効果
馬肉に含まれるタンパク質は、皮膚、髪、爪の健康に必要で、細胞の再生と修復を支えます。肌の弾力とハリを保つのに役立ちます。
健康的な肌を維持する効果
馬肉に含まれる鉄分は、血液の酸素の供給を助け、肌細胞が酸素と栄養を効率的に取り込むことを可能にします。馬肉を食べることで、健康的で明るい肌の維持に役立つ可能性があります。
皮膚のバリア機能の強化
馬肉に含まれるビタミンB群は、皮膚の健康に必要な栄養素です。特にビタミンB12はDNAの合成を助け、新しい皮膚細胞の生成を促します。また、ビタミンB3(ナイアシン)は皮膚のバリア機能を強化し、肌を健康に保つのに役立ちます。
肌の修復を助ける効果
馬肉に含まれる亜鉛は、免疫システムを強化し、皮膚の修復プロセスを助ける重要なミネラルです。肌の健康を保つのに役立つ可能性があります。
馬肉の疲労回復の効果とは?
馬肉は疲労回復に効果的な栄養素をいくつか含んでいます。馬肉を摂取することで、運動後の疲労回復やエネルギー補給に繋がります。
筋肉疲労の回復効果
馬肉のタンパク質は、筋肉の修復と回復に必要なアミノ酸を提供します。特に運動後の筋肉疲労の回復に役立つと考えられています。
疲労を軽減する効果
馬肉のビタミンB群(特にビタミンB12とビタミンB6)は、食物からエネルギーを効率的に取り出すのに役立ちます。身体のエネルギーレベルを維持し、疲労感を軽減するのに役立つ可能性があります。
鉄分不足の改善効果
馬肉の鉄分は、赤血球の形成を助け、酸素の体内輸送を支援します。鉄欠乏は貧血を引き起こし、疲労感や疲れやすさの原因となります。適切な鉄分摂取はこれらの症状を防ぐのに役立ちます。