持ち家と賃貸どっちがお得

持ち家と賃貸はどちらがお得なのかは、個人のライフスタイルや考え方・捉え方などによって大きく異なります。

たとえば、小さい頃から一戸建てに住むのが夢だったという人もいれば、住む家はどこでもいい、家にこだわりがないという人もいます。また、賃貸物件ではいくら家賃を支払っても自分のものにならないから損だという人もいれば、持ち家だと固定資産税や修繕費がかかるから損だという人もいます。

持ち家はその土地に一生住み続けることになりますので、町内会の手伝いやご近所トラブルに頭を悩ませることもありますが、賃貸ならすぐに新しい家に引っ越しをすることができ、ストレスを感じることなく生活できるメリットもあります。

持ち家と賃貸は、どちらにもメリット・デメリットがありますので、家を購入する場合や引っ越しをする場合は、十分に検討されることをおすすめします。

持ち家のメリットとは?

持ち家のメリット

持ち家のメリットは、購入した土地や建物が自分自身の資産になるというメリットがあります。そのため、保有している不動産が将来値上がりをすれば、かなりの儲けを得ることができます。

また、持ち家は自分の家となりますので、自由にリフォームしたり、改装・改築することができます。持ち家は、子供たちに財産として残すこともできますので、自宅を購入するメリットは大きいと言えます。

資産としての価値

持ち家は資産として所有できるため、不動産価格が上昇するとその価値も増加します。将来的に利益を得る可能性もあります。

家を自由にカスタマイズできる

自分の家を持っていると、自由に改装や改築を行うことができます。自分の好みやニーズに合わせた住環境を作り出すことができます。

安心感や安定感がある

持ち家を所有していると、住む場所に対する安定感が得られます。賃貸の場合は家主の都合で引っ越しが必要になることもありますが、持ち家ではその心配がありません。

住宅ローンの返済が終われば住居費が大幅に減少する

住宅ローンの返済が完了すれば、毎月の住居費が大幅に減少します。負担が軽減され、他の目的に資金を充てることができます。

相続や贈与ができる

持ち家は子供や親戚に相続や贈与することができます。将来的にも家族に安定した住まいを提供することができます。

税制上の優遇措置が受けられる

住宅ローンを借りて家を購入すると、毎年のローン残高の1%相当額が所得税から控除されます。また、固定資産税の軽減措置を利用することもできますので、住宅を購入することで様々な節税効果が期待できます。

持ち家のデメリットとは?

持ち家のデメリット

持ち家のデメリットは、家を購入する際に頭金や手数料など、かなりの金額が必要になることです。

また、持ち家は個人の財産となりますので、土地・建物の評価額に対して固定資産税がかかります。その他、10年~20年後にはリフォームが必要となりますし、30年~40年後には建て替えも必要になるでしょう。マンションの購入でも、築年数に応じて修繕積立金が年々増加していきますので、一戸建てでも分譲マンションでも物件を所有し続けるには、かなりの維持費が必要となります。

高額な初期費用

持ち家を購入する際には、頭金や手数料、登記費用などの初期費用が必要です。これらはかなりの金額になることがあり、購入のハードルが高くなります。

税金の支払いや修繕などの維持費用

持ち家の場合、固定資産税や修繕費、保険料などの維持費用がかかります。賃貸物件に比べて維持管理に関する負担が大きくなることがあります。

柔軟性がない

持ち家の場合、転勤や転居があると物件を売却するか、賃貸に出すなどの手続きが必要です。これには時間と手間がかかり、柔軟性が低いと言われる理由です。

不動産価格の変動リスク

不動産市場は価格の変動があります。持ち家を購入した後、不動産価格が下落すると、資産価値が大幅に減少するリスクがあります。

物件を管理する責任

持ち家を所有すると、物件の管理や修繕など、より多くの責任が伴います。賃貸物件の場合は、大家が責任を負うことが多いですが、持ち家では全て自分で対処しなければなりません。

長期的なコミットメント

持ち家を購入すると、長期的なコミットメントが必要になります。住宅ローンの返済期間は通常数十年に及びますし、引越しの際には売却や賃貸に出すなどの手続きが必要です。

賃貸住宅のメリットとは?

賃貸住宅のメリット

賃貸住宅のメリットは、住宅購入に比べて初期費用が少ないことです。家を購入するとなれば、頭金や手数料などで数百万円~数千万円が必要となりますが、賃貸物件なら家賃の5ヶ月分~6ヶ月分程度で契約することができます。物件によっては敷金なし・礼金なしの物件もありますし、仲介手数料が無料、又は半額の不動産業者もあります。

また、賃貸物件は維持費の負担が少なく、引っ越しや住み替えがしやすいメリットがあります。仕事の関係で県外への転勤となったとしても、賃貸なら柔軟に対応することができます。

初期費用が少ない

賃貸物件は、家賃の数ヶ月分の初期費用で借りることができますので、少ない予算で住むことができます。また、購入時の登記費用や固定資産税もかからないため、負担が軽減されます。

柔軟性が高い

賃貸物件は短期間の契約が可能で、転勤や転居があっても簡単に引っ越しを行うことができます。ライフスタイルや仕事の状況に合わせて住む場所を変えやすい特徴があります。

維持費用の負担が軽い

賃貸物件では、家主が修繕費を負担するケースが多く、固定資産税なども家主が支払うため、持ち家よりも維持費用の負担が大幅に軽減されます。

物件に対する責任が少ない

賃貸物件の場合、物件の管理や修繕などの責任が大家にあるため、入居者はそれらの責任を負わなくても済みます。

住むエリアや物件の選択肢が広がる

賃貸物件は、価格帯やエリア、物件タイプが多様であるため、自分の希望に合った物件を選びやすくなります。

賃貸住宅のデメリットとは?

賃貸住宅のデメリット

賃貸住宅のデメリットは、リフォームや改築などの自由度が低いことです。また、賃貸物件は家賃を支払って借りている物件となりますので、賃貸契約を更新する際には、その都度更新料がかかりますし、持ち家のような資産形成もできません。

物件によっては、喫煙やペットの飼育などが制限されている場合もありますので、持ち家のように自由に何でもできるというわけにはいかないのが賃貸物件のデメリットです。

資産形成が難しい

賃貸では家賃が経費になり、長期的に資産価値が増えない可能性があります。持ち家の場合は、不動産価格が上昇すれば資産価値も増加しますが、賃貸ではそのメリットがありません。

自由度が低い

賃貸物件では家主の許可が必要なため、改装や改築が制限されます。持ち家であれば、自分の好みやニーズに合わせて自由にカスタマイズできますが、賃貸ではその自由度が低くなります。

家賃の上昇リスク

経済状況や地域の需要によっては家賃が上昇する可能性があり、家賃の支払いが負担になることがあります。持ち家であれば、住宅ローンの返済が終われば住居費が減少しますが、賃貸ではそのメリットがありません。

敷金・礼金・更新料の負担

賃貸契約を更新する際には更新料がかかることがあります。また、契約時に支払った礼金は戻ってきませんし、敷金は退去時に全額返還されないことがあります。これらの費用についても、経済的な負担になることがあります。

入居者の権利が制限される

賃貸物件では、家主や管理会社のルールに従わなければなりません。たとえば、ペットの飼育や喫煙が禁止されている物件があるなど、入居者の権利が制限されることがあります。

持ち家と賃貸どっちがお得?の結論

持ち家と賃貸どっちがお得?の結論

持ち家と賃貸は永遠のテーマとして語られることがありますが、個人的な結論としては「地価が上がるのであれば持ち家」、「地価の上昇が期待できないのであれば賃貸」のほうがお得です。

そこで、どちらがお得なのかの結論を出すには、この先の日本がどうなるのかを客観的に判断する必要があります。分かりやすく言えば、この先、日本の景気はよくなるのか、それとも悪くなるのかということです。また、今後日本の人口は増えるのか、それとも減り続けるのかという意味です。

土地の価格やマンション価格が下がり続ける

将来のことは誰にも分かりませんが、おそらくほとんどの人は、この先の日本の未来は暗いと考えているのではないでしょうか。

そもそも地価が上昇する要因は、人口の増加が必須です。購入したい人が増えるからこそ、土地の価格やマンション価格が高騰するのです。逆に、この先人口が減り続けるのであれば、土地の価格やマンション価格はどんどん値下がりしていきます。さらに言えば、今後の日本はありえないほどのスピードで高齢化が進み、毎年のように社会保障の費用が増え続けますので、安定的な財源の確保が難しくなることでしょう。

そうなれば、現在の住宅ローン減税や固定資産税の優遇などは、すぐに打ち切られるのではないでしょうか。

ただ同然で家が借りられる時代へ

今現在も全国的な空き家問題が社会問題となっていますが、今後はさらに空き家の問題が大きくなっていくことが予想されます。

また、家は人が住まないとどんどん痛んでいきますので、何年も放置してそのままというわけにもいきません。アパートやマンション経営をしている大家さんからすれば、家賃を下げてでも誰かに借りて欲しいと考えるでしょう。空き家が増えれば需要と供給のバランスが崩れ、家賃相場が大きく下落することも予想されます。

日本の景気が上向いていくのであれば、これらの問題も解決できる可能性はありますが、今の状況ではそれも期待できません。そのため、結論としては「地価の上昇が期待できない日本で家を購入するのはあまりにもリスクが高い」となります。

持ち家は資産ではなくリスクになる

持ち家は資産になると言われていますが、これは地価が上昇するフェーズであれば資産にもなりえますが、人口減少・超高齢化社会が予想される日本では、持ち家は資産ではなく、ただのリスクでしかありません。

資産とは、希望する金額で売却できるからこそ資産となるものです。売れない土地や売れないマンションをいくら保有してもリスクにしかならず、保有しているだけで毎年何十万円、何百万円というコストがかかるのです。

ちなみに、バブル期に人気だった地方のリゾートマンションでは、数千万円で販売されていた物件が、今ではほぼ0円で売られているのが現状です。今後日本では、全国的に同じような現象が起きるのではないかと予想されています。20年後、30年後には、持ち家の人の老後破産が社会問題になっているかもしれません。

損得を考えないなら持ち家、損をするのが嫌なら賃貸

家を買うのが夢だったという人や持ち家に憧れがあるという人は、自分自身が希望する家を購入されることをおすすめします。

上記は、あくまでも家の購入がお得なのか損なのかという視点から、賃貸のほうが良いという結論に至っているだけです。損得に関係なく、好きな家に住みたいということなら、欲しい家・住みたい家を購入するほうがベストです。

家を購入することで、もっと頑張ろう、もっと稼ごうと思えるのなら、迷わず持ち家にするべきです。持ち家を選択することがQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上にも繋がることでしょう。