
無洗米とは、お米を研がずにそのまま炊飯器に入れて炊くことができるお米のことを指します。
無洗米は精白米の肌ぬかを取り除く加工が施されていますので、お米を研ぎ洗いすることなく、炊くことができるのです。無洗米の製法には、水洗い乾燥法・湿式法、乾式法、BG精米製法(ヌカ式)、NTWP加工法(タピオカ式)などがあります。
通常、お米は水で研ぎ洗いをすることで、お米の表面に残っている肌ぬか(はだぬか)を洗い流すことができ、お米を美味しく炊くことができます。お米に肌ぬかが残っていると、お米がぬか臭くなり、美味しくお米を炊くことができません。
無洗米は、お米を洗わずに炊きますので節水ができ、さらにお米を研ぐ手間や時間も大幅に短縮できる利点があります。
玄米とは?栄養や特徴・副作用、効果や効能・美味しい炊き方
無洗米と普通の白米の違いは?
無洗米と普通の白米(精白米)との違いは、お米を研ぐ手間や時間の違い、使う水の量の違い、風味や食感の違いなどがあります。
お米を研ぐ手間の違い
無洗米は特殊な加工処理が施されており、肌ぬかが取り除かれているお米です。そのため、無洗米はお米を研がずにそのまま炊くことができます。一方、普通の白米は家庭で洗う(研ぐ)必要があります。白米を研がずに炊くと、ぬかの臭いでご飯がまずくなります。
料理にかかる時間の違い
無洗米は洗う必要がないため、料理の準備時間を短縮できます。また、水分の調整も簡単で、基本的には米と同じ量の水を加えて炊くだけです。
使う水の量の違い
無洗米はお米を洗わずに炊くことができますので、節水ができる効果もあります。
栄養の違い
無洗米と普通の白米の栄養価には、特に大きな違いはありません。ただし、普通の白米を研ぐ過程で、一部の水溶性ビタミンなどが洗い流される可能性があります。
風味と食感の違い
無洗米と普通の白米とでは、風味や食感に若干の違いがあります。無洗米は肌ぬかが完全に取り除かれているため、独特の風味があり、食感も少し硬めに感じることがあります。
賞味期限の違い
無洗米と白米は、基本的に賞味期限は同じで、1ヶ月~2ヶ月程度となります。ただ、無洗米の真空パックなど、処理により保存性が向上していることがあります。
無洗米の加工方法とは?
無洗米の加工方法は、精白米の表面に付着している肌ぬかを取り除く作業となります。一連の無洗米の加工過程により、一般的な白米よりも手間を省くことができ、家庭で研がずにそのまま炊くことができるようになります。
無洗米の加工の流れ
1.無洗米の製造には、まず精米が必要です。玄米から米ぬか層を除去し、白米を取り出す作業です。
2.精米後、ヌカ式やタピオカ式、水洗い式などの方法により、米粒の表面に付いている肌ぬかを取り除きます。
3.精白米の加工後、米を乾燥させます。これにより、米の保管性が向上します。
4.乾燥後、米の形状や大きさなどに基づいて選別を行います。これにより品質の高い無洗米が得られます。
5.最後に適切な包装を施して、無洗米として販売します。
無洗米はなぜ洗わなくてもいいの?
無洗米を洗わずに使うことができる理由は、出荷する前にお米の表面に付着している肌ぬかを取り除いているからです。普通のお米を炊く前に洗う理由は、肌ぬかを洗い流すことが目的です。肌ぬかをそのままにすると、お米を炊いた後の風味や味が悪くなるからです。
肌ぬかとは?
肌ぬか(はだぬか)とは、お米の表面に付着している「ぬか」です。肌ぬかは粘着性が強く、独特な臭いがあります。そのため、肌ぬかを洗い流さずにお米を炊くと、ぬかの嫌な臭いが残り、ご飯を美味しく食べることができなくなります。
肌ぬかと米ぬかの違い
米ぬかは、玄米を削って精米する際に出る果皮や種皮、胚芽です。肌ぬかは、精米後のお米の表面に付着しているぬかとなります。米ぬかにはビタミンB群、ビタミンE、蛋白質、食物繊維など、人間の健康にとって重要な栄養素が含まれています。
無洗米の見分け方
無洗米かどうかを見分けるには、お米を洗ってみることで判断できます。普通の白米の場合、お米を洗うと研ぎ汁が白く濁るので、すぐにわかります。逆に、無洗米の場合は研ぎ汁が出ませんので、水が白く濁ることはありません。
また、お米のにおいを嗅ぐことで、普通の白米か無洗米かを判断することも可能です。普通のお米は、ぬかの独特な臭いがしますので、臭いで精白米なのか、それとも無洗米なのかを見分けることができるでしょう。
無洗米がまずい理由・美味しくない原因は?
無洗米がまずいと感じられる理由は、無洗米の食感や風味が普通の白米と異なることが原因と考えられます。また、日本人は小さい頃からお米を毎日食べていますので、普通の白米に食べ慣れていることから、無洗米に対して「いつもとちょっと違う」と感じてしまうのかもしれません。
風味が美味しくない
無洗米は肌ぬかが完全に取り除かれています。これにより独特の風味があり、普通の白米と比較して好みでないと感じる人もいます。
食感に違和感がある
無洗米は少し硬めに感じることがあります。これは無洗米の炊き方によるもので、適切な水分量と炊き時間を調整することで改善できることもあります。
無洗米がまずいというイメージ
無洗米が販売されるようになって30年以上になりますが、最初の頃の無洗米はあまり美味しくない商品でした。現在は、かなり改良されて美味しい無洗米がたくさんありますが、昔のイメージから「無洗米はまずい」「無洗米は栄養がない」「無洗米は体に悪い」というようなイメージに繋がっているのではないかと感じます。
保温状態による味の変化
無洗米は適切に保存しなければならず、湿度が高い場所で長期間保存されたものは味が落ちる可能性があります。
炊き方の違いによる影響
無洗米の調理法が正しくない場合、結果として出来上がるごはんの質に影響を及ぼすことがあります。無洗米は、米と同じ量の水を加えて炊くだけですが、種類によっては少し調整が必要な場合もあります。
無洗米の栄養価は低い?
無洗米の栄養価が低いとされる理由は、無洗米の製造過程にあります。無洗米は肌ぬかを取り除く処理が行われますが、肌ぬかには栄養素が含まれているため、肌ぬかを取り除くことで一部の栄養素が失われると考えられることがあります。
無洗米と精白米の栄養の違い
無洗米と通常の白米との間で、大きな栄養の差が生じることはありません。肌ぬかに含まれる栄養素は水溶性のビタミンが主で、これは普通の白米を研ぐ過程で水に溶け出してしまうことも多いため、実際には普通の白米と無洗米の間で大きな栄養の差が出ることは少ないと考えられます。
洗米には研ぐ手間が省ける、水の節約ができる、研ぎすぎによる米粒の破損を防げるなどの様々なメリットがありますので、自分のライフスタイルや好みによって、無洗米が適しているかどうかを判断するのが良いでしょう。
無洗米のメリットやデメリットは?
無洗米のメリットは、お米を研ぐ時間を大幅に短縮することができることです。また、無洗米はお米を洗う水も使いませんので、節水のメリットもあります。
逆に、無洗米のデメリットは、普通の白米よりも価格が高いことです。無洗米はお米を洗う作業が発生しますので、その分、コストが高くなっていることが原因です。また、無洗米は風味や食感が普通のお米と違います。無洗米のほうが美味しいという人もいますが、逆に無洗米が不味いと感じる人もいます。
無洗米のメリット
無洗米の最大の利点は、お米を研ぐ手間が不要となる点です。これにより、料理の準備時間を大幅に節約することができます。また、研ぐ過程で使われる水を節約できます。特に水資源が限られている地域では、これは大きな利点となり得ます。
普通の白米を研ぐと、米から溶け出した水溶性のビタミンが流れ落ちてしまうことがありますが、無洗米ならそのような栄養素の損失を避けることが可能です。
無洗米のデメリット
無洗米の製造過程は、普通の白米よりもコストがかかるため、無洗米は同じ量の普通の白米よりも割高です。また、無洗米は普通の白米とは異なる風味や食感を持っていますので、その人の好みによってはデメリットと感じられるかもしれません。
その他、無洗米は適切な保存状態が必要で、特に湿度が高い場所では品質が落ちやすいデメリットもあります。
無洗米の美味しい炊き方とは?
無洗米を美味しく炊くためには、いくつかの注意点があります。無洗米は、水の加減の調節や炊飯器の設定、炊きあがってから蒸らすことが重要です。
水の加減を調整する
無洗米の水加減は、普通の白米とは少し異なります。一般的には1合に対して約1.2合程度の水を加えると、美味しいご飯が出来上がります。
水に浸けておく
無洗米は、ご飯を炊く前に20分~30分ほど水に浸けておくと、より美味しく炊けるようになります。
炊飯器の設定
炊飯器によっては無洗米専用の設定があります。この設定を使うことで、無洗米が最適な状態で炊けます。
少し蒸らしてから食べる
ご飯が炊けたらすぐに食べるのではなく、炊飯器の中で10分程度蒸らしてから食べると、食感がよくなります。