
新卒の初任給は就職先の企業によって支払日が異なりますが、一般的には入社後1ヶ月~2ヶ月以内に初めて支払われることが多いです。
たとえば、4月入社の場合は4月25日~末日の支給、あるいは5月の始め、又は5月25日~末日に支払われることになります。これは労働基準法24条2項で「賃金は毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない」と規定されているためです。
また、企業によっては入社時に一定の給与を先払いで支払う場合もありますし、月給制であれば25日に30日分までを先払いで支給するケースもあります。
25日までしか働いていないのに30日までの分を受け取るのは不思議に思われるかもしれませんが、給料がいつ支払われるのか、何日分まで支給されるのかは、勤めている会社の雇用契約書や就業規則、給与規程(賃金規程)によります。
初任給が5月支給は違法?
4月入社の人が5月に初任給をもらうことは、特に違法ではありません。これは正社員でもアルバイト・パートでも、派遣社員でも契約社員でも同じです。
給料が支払われるタイミングとは?
給料が支払われるタイミングは、会社が定めている雇用契約書や給与規程等によって決まります。そのため、4月1日から仕事をしている人でも初めての給料が5月10日だったり、5月25日だったり、5月末日という場合もあり得ます。
給料の支払いが当月末締め、翌月25日払いの場合
たとえば、給与規程で給料の支払いが「当月末締め、翌月25日払い」となっているケースでは、4月1日~4月末日まで働いた分を5月25日に受け取ることになります。5月以降も同様に毎月25日に先月分の給料を受け取るイメージです。
給料の支払いが当月末締め、当月25日払いの場合
たとえば、給料の支払い規程が「当月末締め、当月25日払い」となっているケースでは、4月1日~4月末日までの分を4月25日に受け取ることになりますので、働いていない4月26日~4月末日までの分を先払いで受け取れます。働いていない分の残業代は、翌月の給料に合算されます。
日本の給料が低い理由は?長時間労働の原因や影響・健康リスク
給料の支払いサイクルや締日を確認するには?
給料の支払いサイクルや締日・支給日等を確認するには、勤めている会社の雇用契約書や就業規則、給与規程(賃金規程)を確認することで、給料がいつ振り込まれるのかがわかります。
逆に、就職や転職で給料が支給されるタイミングを知らずに入社すると、1ヶ月~2ヶ月の間、給料の支給がなく、手持ちのお金で生活することになります。ある程度の貯金や蓄えをしている人なら問題はありませんが、一人暮らしをしている人や貯金がほとんどない人は、就職後の日々の生活費をどうするのかを考える必要があります。
初給料を受け取るまでに2ヶ月近くかかるケースも!?
給料の支給が翌月払い(翌月15日払い、翌月25日払い、翌月末日払いなど)では、給料をもらうまでに2ヶ月近くもかかることになります。ということは、入社して約2ヶ月もの間、1円の給料ももらえず、収入ゼロでやりくりをしなくてはならないのです。
新卒の初任給はいくら?高卒・大卒・大学院卒の違い
労務行政研究所の発表では、2023年度の新入社員の初任給の平均は、大卒が22万5,686円、大学院卒が24万3,953円、短大卒が19万5,227円、高校卒が18万3.388円となっています。
日本政府は企業側に初任給の引き上げを求めていますが、初任給の平均額を見ると若干上昇はしていますが、それほど大きく変わっていないことが分かります。
新卒1年目の手取り額は?
毎月受け取る給料は、基本給や交通費、残業代などの手当ての全てが含まれる総額で支給されます。
支給された給料から、所得税、雇用保険、健康保険、住民税、介護保険料が毎月差し引かれます。所得税や住民税、社会保険料などを差し引いた残りの金額が、手取り額(実際に使えるお金)となります。
そのため、実際に受け取る手取り額は、大卒・大学院卒で18万円~19万円、高卒で15万円~16万円となります。
入社1ヶ月目から所得税と雇用保険料が引かれる
新卒で入社した1ヶ月目から、所得税と雇用保険料が給料から天引きされます。
入社2ヶ月目から健康保険(社会保険料)が引かれる
健康保険(社会保険料)は、2ヶ月目以降(翌月)から毎月引かれるようになりますので、初任給では社会保険料は引かれません。
2年目から住民税が引かれる
住民税は1年間の給与所得が確定してから金額が決定しますので、新卒1年目は住民税の支払いはありません。2年目の6月から、去年の年収に応じて毎月一定の金額が給料から引かれます。
40歳以上は介護保険料が引かれる
介護保険料は40歳以上の場合に引かれますので、入社1年目、2年目では給料から介護保険料が引かれることはありません。
新社会人の1ヶ月の生活費はいくら?
新社会人の1ヶ月の生活費は、その人の生活スタイルや住んでいる地域、給与水準によって異なりますが、仮に東京23区内で一人暮らしをしている場合は最低でも10万円~12万円は必要です。
東京23区の家賃相場
東京23区の家賃相場は、比較的家賃が安い足立区、江戸川区、葛飾区のワンルーム・1Kタイプで5万円~5万5千円ほどとなります。千代田区や港区、中央区や渋谷区、新宿区などの家賃相場が高い地域では、ワンルームや1Kタイプでも10万円以上となります。
食費や光熱費、携帯電話代やスマホ代
その他、電気代やガス代、水道代などの光熱費で毎月1万円~1万5千円、携帯電話代やスマホ代で毎月5千円~1万円、食費で3万円(1日あたり千円)、日用品などの購入で1万円、通勤にかかる交通費で1万円~2万円と考えると、どれだけ節約しても10万円~12万円は必要となり、家賃が高い港区や渋谷区などで部屋を借りると1ヶ月あたりの生活費が15万円~20万円にもなります。
一人暮らしにかかる費用
家賃:5万円~10万円程度(地域によって異なる)
光熱費(電気、ガス、水道):1万円~1万5千円程度
通信費(携帯電話やスマホ代、インターネット代):5千円~1万円程度
食費(1日あたり千円として):3万円程度
日用品:1万円程度
交通費:1万円~2万円程度(通勤にかかる費用)
その他(洋服代、外食代、飲み代など):1万円~2万円程度
給料日までお金がない時の対処法は?
給料日までお金がない時は、まずは支出を減らすことです。たとえば、外食やコンビニのお弁当などをやめて、自炊をすることで食費を節約することができます。
毎月の会費や月額サービスの解約
余分な支出があれば、見直して節約することも重要です。たとえば、サブスクなどの月額制のサービスやスポーツジムなどの会員費、健康食品やサプリメントなどの定期購入など、今すぐに必要のないものは解約することで、一時的にお金を節約することができます。
ただ、どれだけ節約をしても支出を減らすことはできますが、手持ちの現金を増やすことはできません。また、お金がなければ食べ物を購入することもできませんし、料金の未払いで携帯電話やスマートフォンが止まる可能性もあります。給料日までの生活を乗り切るためにも、一時的にでもお金を用意することが重要です。
日雇いのアルバイトをする
空いた時間に日雇いのアルバイトをすることで、一時的にお金を稼ぐことができます。日雇いのアルバイトなら働いたその日に給料を受け取ることも可能で、すぐに現金を手に入れることができます。
ただ、入社した会社が副業を禁止している場合には、空いた時間にアルバイトをすることができません。また、日雇い以外のアルバイトの場合、仕事をしてもすぐに給料がもらえないケースもありますので、アルバイトを探す時は「日払い可」「即日払いok」「当日現金手渡し」といったアルバイト先を見つけることが重要です。
親や兄弟、友人や知人からお金を借りる
親や兄弟、友人や知人からお金を借りることで、給料日まで耐えることができます。ただ、親や兄弟であっても、人からお金を借りるのは非常に抵抗があります。友人や知人の場合、その後の関係が壊れてしまうこともありますし、お金にだらしないヤツだと変な噂を立てられることもあるかもしれません。
親や兄弟には心配をかけたくないという場合には、他の方法で一時的にお金を用意するほうが良いでしょう。
クレジットカードを利用する
最も手軽に利用できる方法として、クレジットカードを活用する方法があります。クレジットカードは18歳以上なら作ることができますし、学生でも普通にクレジットカードを持つことが可能です。就職する前にクレジットカードを作っておいて、入社後から初給料までの間をクレジットカードで凌ぐということもできます。
現在はスーパーでもコンビニでも、ドラッグストアでも家具・家電売り場でも、どこでもクレジットカードが使えます。クレジットカードさえあれば、給料日までお金を使わずに生活することも可能です。
カードローンを利用する
カードローンを利用することも可能です。通常、カードローンは20歳以上で仕事をしている人なら普通に契約することができますので、4月入社の新入社員でも一時的お金を借りることができます。
カードローンは、早ければ申し込みから30分~1時間程度でお金を借りることができますので、急ぎで現金が必要という場合にも非常に便利なサービスです。1ヶ月~2ヶ月で全額返済するのであれば、それほど高額な利息もかかりませんので、お金が必要な人はカードローンがおすすめです。
初給料の使い道の第1位は?
社会人1年目の初給料の使い道で最も多いのが、「親へのプレゼント」です。日頃からお世話になっている親への感謝の気持ちを込めて、初めての給料でプレゼントを購入するというのは、とても素晴らしいことです。
初給料の使い道の第2位
次に多かったのは「貯金」です。現在はあまり景気がよくないということもあり、将来のために貯金をすることは非常に堅実な使い道です。
初給料の使い道の第3位
3番目に多かった答えは「生活費」でした。その他、初めての給料で美味しいものを食べに出掛けたという人や、少しお高めなスーツや革靴、腕時計などを購入した人も多くいました。社会人1年目の初めての給料は一生の思い出になりますので、後悔しない使い方が良いでしょう。
ちなみに、ごく稀に初給料をパチンコやパチスロ、競馬や競輪などのギャンブルに使う人もいます。私の周りにも初給料の全額を競馬に突っ込み、給料日の当日に無一文になったという猛者がいました。決して真似しないようにしてくださいね。