ストレートネックとは

ストレートネックとは、本来湾曲している首の骨が真っ直ぐになった状態を指します。ストレートネックは「スマホ首」「テキストネック」とも呼ばれ、長時間のパソコンやスマートフォンの利用により、猫背になって頭を下げて画面を見ていることが原因で起こります。

ストレートネックは、頭痛や肩こり、首の痛みなどを引き起こし、症状が悪化すると手足の痺れや耳鳴り、めまいなどの症状が出ることもあります。
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ストレートネックの初期症状とは?

ストレートネックの初期症状

ストレートネックの初期症状は、進行度によって異なる場合がありますが、初期段階では首の痛みや筋肉のこわばりのような症状が見られます。

初期の症状は比較的軽微なものであり、日常生活を大きく妨げるものではないかもしれません。しかし、症状が長期間続く場合や手や腕の痺れなど、他の症状が現れた場合には医療専門家に相談することをお勧めします。

軽度の首の痛み

頚椎の自然なカーブが直線的になると、筋肉や軟部組織に異常なストレスがかかり、軽度の痛みや不快感を感じることがあります。首の痛みは、特に長時間のデスクワークや携帯電話・スマートフォンの使用後に顕著になることがあります。

筋肉のこわばり

肩や首周辺の筋肉がこわばる感じがします。筋肉のこわばりは頸部の姿勢が異常になることで、筋肉に過度のストレスがかかるためです。

ストレートネックのセルフチェック方法

ストレートネックのセルフチェック方法

通常、ストレートネックはレントゲン検査などで診断されますが、以下のチェックリストを使用して自己評価を試みることができます。

ストレートネックのチェックリスト

1.頭痛はストレートネックの一般的な症状です。特に後頭部や側頭部に痛みを感じますか?
2.長時間座っていると、首や肩に痛みや不快感があらわれますか?
3.筋肉がこわばっていると感じる、あるいは肩こりが頻繁に起こりますか?
4.手や腕に痺れや感覚異常を感じますか?
5.一日の終わりには、全身的な疲労感や強い眠気を感じますか?
6.頭を左右に回すのが困難ですか、又は首や肩が硬いと感じますか?
7.頻繁にめまいを感じる、あるいはバランスを保つのが難しいと感じますか?
8.仕事やプライベートで長時間パソコンやスマートフォンを使う習慣はありますか?

上記のいくつかに「はい」と答えた場合、ストレートネックの可能性があります。症状が重い場合や症状が持続する場合は、医療専門家に相談し、適切な診断と治療を受けてください。

ストレートネックの症状とは?

ストレートネックの症状

ストレートネックの症状は、頭痛、めまい、立ちくらみ、首の痛みや肩こり、手足の痺れなどがあります。

頭痛・めまい・立ちくらみ

ストレートネックは、特に後頭部や側頭部に痛みを感じることが多いです。また、頚椎の問題はバランス調整に重要な頭部への血液供給に影響を与え、めまいや立ちくらみを引き起こすことがあります。

首の痛みや疲労感

特に長時間同じ姿勢でいると、首や肩に痛みや疲労感があらわれることがあります。また、筋肉が常に緊張状態にあるため、全身的な疲労感を感じることもあります。

肩こり・動きにくさ

首の筋肉が緊張しているため、肩も同様にこわばることがあります。首や肩が硬くなり、頭を回すのが困難になることもあります。

手や腕の痺れ

頚椎が正常なカーブを失うと、神経が圧迫され、手や腕に痺れや感覚異常を引き起こすことがあります。

ストレートネックの原因とは?

ストレートネックの原因

ストレートネックの原因は、猫背で頭を下げた状態で、長時間パソコンやスマートフォンを操作していることにあります。特にインターネット関連のデスクワークの仕事をしている人は、ストレートネックに注意が必要です。

長時間の頭を下げた姿勢

パソコンやスマートフォンの使用によるテキストネックや、長時間のドライブ、長時間の読書など、頭が前方に傾く姿勢を長時間続けると、頚椎に過度のストレスがかかり、ストレートネックを引き起こす可能性があります。

急激な首の動きや衝撃

交通事故やスポーツ中の事故などにより、首に急激な動きや衝撃を受けると、頚椎が正常な位置からずれ、ストレートネックが引き起こされることがあります。

筋肉の緊張や筋力の弱さ

頸部周囲の筋肉が過度に緊張したり、逆に筋力が弱くなったりすると、首の自然なカーブを維持する能力が低下し、ストレートネックに繋がる可能性があります。

加齢による原因

年齢と共に椎間板が薄くなったり硬くなったりすると、頚椎の正常なカーブが失われ、ストレートネックが引き起こされる場合があります。

ストレスによる原因

心理的なストレスは身体の筋肉を緊張させ、首や肩の筋肉に影響を与え、ストレートネックを引き起こす可能性があります。

ストレートネックになりやすい人とは?

ストレートネックになりやすい人

ストレートネックは、特定のライフスタイルや職業、行動習慣を持つ人に多く見られます。

デスクワークを行っている人

コンピューターを使う仕事や学習を行う人は、長時間同じ姿勢で座ったり、頭を前傾させたりする傾向があります。デスクワークによって首に過度の負荷がかかり、ストレートネックを引き起こす可能性が高まります。

スマートフォンやタブレットの使用が多い人

頭を下向きにしてデバイスを見る時間が長いと、首の自然なカーブが失われる場合があります。

20代~30代の女性

ストレートネックは、男性よりも筋肉量の少ない女性のほうがなりやすいと言われています。特に20代~30代の女性は、家事や子育てで前かがみになることが多く、ストレートネックになりやすい傾向があります。また、首が細い女性もストレートネックになりやすいとされています。

ストレスが多い人

高いストレスレベルは、身体全体、特に首や肩の筋肉を緊張させます。ストレスは首の姿勢に影響を与え、ストレートネックを引き起こす可能性があります。

加齢による変化

年齢と共に骨密度が低下し、椎間板の水分が減少し、首の自然なカーブが維持されにくくなることがあります。

事故や外傷を受けた人

交通事故やスポーツ事故などで首に衝撃を受けた人は、ストレートネックのリスクが高まる場合があります。

ストレートネックの重症化の症状とは?

ストレートネックの重症化の症状

ストレートネックが重症化すると、生活の質を著しく低下させる可能性があります。そのため、症状がある場合には医療専門家に相談し、適切な診断と治療を受けることが重要です。治療をせず、そのまま放置すると、ストレートネックが慢性的な問題になる場合があります。

慢性的な頭痛

ストレートネックが重症化した場合、慢性的なひどい頭痛に繋がります。慢性的な頭痛は、首の筋肉の緊張と首の自然なカーブの欠如による神経の圧迫が原因であることが多いです。

重度の首と肩の痛み

頚椎の自然なカーブが失われると、首と肩の筋肉に過度のストレスがかかり、慢性的な痛みと緊張を引き起こす場合があります。

手足の痛みや痺れ・感覚異常

頚椎の問題は、神経の圧迫を引き起こす可能性があり、手や腕の痛み、痺れ、感覚異常を引き起こす可能性があります。

頭が動かせない

ストレートネックが進行すると、首と肩の筋肉の緊張と頚椎の変位によって、頭を回す動きが困難になります。

睡眠障害・自律神経の障害

首の痛みや不快感があると、睡眠の質が低下する可能性があります。

ストレートネックの対策や予防方法とは?

ストレートネックの予防方法

ストレートネックを予防するには、日常生活の中で首の健康に気を付けることが重要です。また、パソコンやスマートフォン、タブレットなどを使用する際にも、頭を前に傾け過ぎないような工夫が必要です。

適切な姿勢の維持

座っている時や立っている時に適切な姿勢を維持することは、首に過度なストレスをかけるのを防ぎます。特に長時間座って仕事をする場合は、背もたれを使って背中をサポートし、モニターを目のレベルに調節するなど、エルゴノミックな環境を作ることが重要です。

パソコンやスマートフォンの使い方

パソコン、スマートフォン、タブレットなどのデバイスを使う時は、頭を前に傾けすぎないように注意します。また、長時間同じ姿勢でいるのを避けるために、定期的に休憩を取り、首と肩のストレッチを行うと良いでしょう。

適度な運動を行う

規則的な運動は首と肩の筋肉を強くし、柔軟性を維持します。特に、首や肩の筋肉をターゲットにしたストレッチングやエクササイズが有効です。
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ストレスの管理

ストレスは首や肩の筋肉を緊張させ、ストレートネックの原因となることがあります。リラクゼーション技術、深呼吸、ヨガ、メディテーションなどを用いてストレスを管理することが重要です。
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適切な枕の選択

首の自然なカーブをサポートする枕を選ぶことも、ストレートネックを予防する一助となります。

定期的な健康チェック

早期に問題を発見し、適切な治療を始めるためには、定期的な健康チェックが重要です。特に首の痛みや不快感がある場合は、医療専門家に相談することを推奨します。

ストレートネックの治し方や治療方法とは?

ストレートネックの治療方法

ストレートネックの治療は、症状の重さや患者の全体的な健康状態に基づいて適応されます。そのため、ストレートネックの症状がある場合は、医療専門家に相談し、適切な診断と治療を受けることが重要です。

理学療法

理学療法士による指導の元、首や肩の筋肉を強化し、柔軟性を高めるためのエクササイズが行われます。また、正しい姿勢の維持方法も学びます。

カイロプラクティック治療

カイロプラクティックは、スパイナルアジャストメントと呼ばれる技術を使用して脊椎の調整を行い、神経機能を改善します。カイロプラクティックにより頸椎の自然なカーブを復元し、痛みや他の症状を軽減することが可能になります。

薬物療法

痛みや炎症を軽減するために、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)や筋弛緩剤などの薬物が使用されることがあります。

生活習慣の改善

姿勢の改善、エルゴノミクスの適用、ストレス管理など、日常生活の中で首の健康に影響を与える可能性のある要素を改善することが重要です。

外科手術による治療

重度の場合や他の治療法が効果的でない場合、外科手術が必要となることがあります。手術は最終的な選択肢であり、リスクと利益を医療専門家と十分に話し合った上で決定することが重要です。