タバコにはニコチンやタールなど多くの有害物質が含まれており、これらが体内に入ることで様々な病気や健康障害を引き起こします。
また、喫煙者が吐き出す煙やタバコから立ち昇る煙を吸ってしまうことで、周りにいる人にも悪影響が出ます。受動喫煙でも同じように有害物質を吸い込むことになるため、タバコを吸わない人も健康被害を受ける可能性があるのです。特に子どもや妊婦は受動喫煙による影響を強く受けます。
タバコは健康にとって非常に有害です。喫煙者本人だけでなく、周りの人もタバコから身を守る必要があります。禁煙や分煙は自分自身だけでなく社会全体のためにも重要です。
タバコの主な害とは?
タバコの害、特にタバコの煙には、多くの有害な化学物質を含み、それらは人体に様々な悪影響を及ぼします。
心臓病や脳卒中のリスク
喫煙は心臓病と脳卒中のリスクを大幅に増加させます。心臓病と脳卒中は喫煙者の主な死因となっています。
肺がんのリスク
タバコの煙は多くのがんを引き起こす物質を含んでおり、肺がんの最も一般的な原因となります。
口腔がん、食道がん、胃がんなど
喫煙は口腔、喉、食道、胃、膵臓、腎臓、膀胱、子宮頸がんなど、様々な種類のがんのリスクを高めます。
慢性閉塞性肺疾患
喫煙はCOPD(慢性閉塞性肺疾患)などの呼吸器疾患を引き起こす可能性があり、これには慢性気管支炎と肺気腫が含まれます。
歯と口腔の問題
タバコの使用は、口臭や歯の変色を引き起こすだけでなく、口内炎や歯肉炎のリスクも高めます。
肺炎のリスク
喫煙者は肺炎や他の呼吸器感染症にかかりやすくなります。
骨粗鬆症や骨折のリスク
喫煙者は骨粗鬆症や骨折のリスクが高くなるという報告もあります。
白内障のリスク
喫煙は加齢黄斑変性症や白内障のリスクを高めます。
男性不妊・女性の早産のリスク
喫煙は男性の不妊、女性の早産や低体重出生、新生児死亡のリスクを増加させます。
免疫力の機能低下
喫煙は免疫系の機能を低下させ、感染症に対する抵抗力を減少させます。
タバコを吸うメリットは?
タバコを吸うメリットは、主にストレスの解消や気分転換となります。
ただ、これらのメリットはタバコに含まれるニコチンやその他の有害物質によって引き起こされる健康被害や社会的な問題に比べれば、はるかに小さいものです。タバコは百害あって一利なしと言われる通り、タバコを吸うメリットよりもデメリットのほうが大きいと言えます。
イライラや不安の解消
一般的に、タバコを吸うとニコチンが脳に作用して快感を生み出し、イライラや不安などの感情を和らげるという効果があります。
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コミュニケーションツールの1つ
タバコを吸うことで喫煙所や休憩時間などで他の喫煙者と交流したり、情報収集したりすることができ、コミュニケーションツールの1つとして活用することもできます。
食欲を減らす効果
タバコを吸うとニコチンが食欲中枢に作用して食欲を減らすという効果や、タバコを吸うことで仕事や勉強などの疲れ、退屈を一時的に忘れることが可能です。
生きていることを実感できる
人によっては、タバコを吸うことで自分の呼吸や心拍などの生命現象に気づくことができ、生きていることを実感できるという人もいます。
タバコを1日何本以上吸うとヘビースモーカーになる?
ヘビースモーカーとは、タバコをたくさん吸う人のことを言います。一般的には1日に20本以上のタバコを吸う人がヘビースモーカーとなります。
1日20本以上の喫煙
ヘビースモーカーは喫煙による健康被害のリスクが高くなります。たとえば、がんや心臓病や脳卒中などの病気で亡くなる可能性が高まり、タバコを吸うことで寿命が短くなることも分かっています。ただ、ヘビースモーカーの人でも今日から禁煙することで健康状態を改善することができます。
タバコの受動喫煙による体調不良の症状とは?
タバコによる体調不良の症状は、喫煙者だけではなく、受動喫煙によっても起こります。受動喫煙はタバコの煙に含まれるニコチンやタールなどの有害物質を吸い込むことで、肺や心臓などの臓器に悪影響を及ぼします。
また、受動喫煙は屋内だけでなく屋外でも発生する可能性があります。また、タバコの臭いを感じなくても、有害物質に暴露されている可能性があります。受動喫煙は健康被害だけでなく、経済的損失や社会的問題も引き起こします。受動喫煙を防ぐためには禁煙や分煙の徹底が重要です。
急性受動喫煙症
タバコの煙に曝露された際に、目や喉の刺激、頭痛、吐き気、動悸などが起こります。
慢性受動喫煙症
タバコの煙に長期間曝露された場合に、化学物質過敏症、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、虚血性心疾患などが起こります。
重篤受動喫煙症
タバコの煙によって発がん物質を摂取した場合に、肺がん、子宮頚がん、白血病などが起こります。
タバコを吸うと歯が黄ばむ理由は?
タバコを吸うと歯が黄ばむ理由は、タバコの煙に含まれるタールという物質が原因です。タールはネバネバした粘着力が高い成分で、歯に付着して黄ばみを生じさせます。また、タバコの煙によって歯が乾燥すると、食べ物や飲み物の色素が沈着しやすくなり、さらに黄ばみが強くなります。
タバコの種類によっても歯の黄ばみの度合いは異なりますが、紙巻きタバコが最も着色性が強く、加熱式タバコや電子タバコは比較的軽度ですが、それでも一定の黄ばみは発生します。
アイコスで歯が黄ばむ理由は?
アイコスで歯が黄ばむ理由は、アイコスに含まれるタールが歯に付着するためです。タールはタバコの煙に含まれる有害物質の総称で、発ガン性物質も多く含んでいます。アイコスは紙巻きタバコと比べて有害物質が90%以上カットされていますが、タールが全くないわけではありませんので、アイコスでも歯は黄ばむ可能性があります。
歯の黄ばみを取るには?
タバコやアイコスによる歯の黄ばみを取るには、歯科医院でのクリーニング、セルフホワイトニング、歯を白くする歯磨き粉などがあります。
歯科医院によるクリーニングでは、歯科医師が電動ブラシと研磨ペーストを使って、歯の表面に付着したステインや歯垢、歯石を除去します。セルフホワイトニングではサロンやキットを利用し、溶剤を歯に塗布し、LEDライトを照射します。キットではシートタイプや歯磨き粉タイプ、マウスウォッシュタイプなどがあります。歯を白くする歯磨き粉を使って、毎日の歯磨きに取り入れることも可能です。
タバコを吸う人と吸わない人の寿命の違い
タバコを吸う人の死亡率は、吸わない人と比べて男性は1.6倍、女性は1.9倍です。タバコを吸う人は、がんや心臓病、脳卒中などの病気で亡くなるリスクが非常に高くなります。
タバコで寿命が8年~10年短くなる
タバコを吸う人は吸わない人に比べて寿命が8年~10年短くなると言われており、日本では20歳より前に喫煙を始めると、男性は8年、女性は10年も短命になることが分かっています。
ちなみに、タバコをやめた人の死亡率は吸わない人と同程度になります。タバコをやめると肺がんや心筋梗塞などの病気のリスクが低下し、寿命を延ばすことが可能です。
タバコをやめると寿命が延びる
タバコを吸うことは健康に悪影響を及ぼし、寿命を縮めることになります。タバコをやめることは長生きするために大切です。今からでも決して遅くありませんので、ぜひ禁煙に挑戦してみてください。
ヤニクラとは?タバコを吸うと頭がクラクラする理由
ヤニクラとは、タバコを吸って頭がクラクラする状態を言います。タバコを吸うと頭がクラクラする理由は、タバコの煙に含まれる化学物質「ニコチン」の血管収縮作用によるものです。
脳や手足への血流が減少する
ニコチンは神経毒であり、中枢神経を興奮させると共に、末梢血管を収縮させて血圧を上げます。そのため、脳や手足への血流が減少し、酸素や栄養素の供給が不足します。これが頭がクラクラしたり、頭痛やめまいが起こったりする原因です。
脳が酸素不足になる
また、タバコの煙には一酸化炭素も含まれており、これは赤血球の中のヘモグロビンと結合しやすく、酸素運搬能力を低下させます。これによっても脳は酸素不足になります。
睡眠不足や体調不良による原因
タバコを吸わない人やタバコを久しぶりに吸う人はニコチンに慣れていないため、反応が大きくなります。睡眠不足や体調不良の場合もヤニクラ(タバコによる頭がクラクラする症状)になりやすいとされています。
禁煙するには?禁煙で最も辛いのは何日目?
禁煙するには、禁煙開始日を設定し、禁煙の準備をします。次に、タバコを吸いたい欲求を抑え、禁煙で起こる体調の変化を理解し、対処することが重要です。
禁煙補助薬や電子タバコなどを活用することも禁煙を成功させる方法の1つです。また、禁煙外来や禁煙治療用アプリなどのサポートを受けることも非常に有効です。
禁煙2日目~3日目が1番辛い
個人差はありますが、禁煙は2日目~3日目が一番辛いとよく言われています。禁煙2日目~3日目が一番辛い理由は、血液中のニコチンがほぼなくなり、脳がニコチンによって分泌されていた快楽ホルモンと呼ばれるドーパミン、セロトニン、アドレナリンを欲するためです。この時期に禁断症状や離脱症状が強く出る可能性が高くなります。
禁煙は3日我慢すれば楽になる
3日目を乗り越えれば禁煙は少しずつ楽になっていきます。禁煙の効果も心身に現れ始め、血圧や脈拍が正常に戻り、血行や呼吸が改善されていきます。禁煙にはダイエットのようなリバウンドもありますので、毎日の積み重ねが重要です。
禁煙してよかったことは?タバコをやめて良かったこと
禁煙してよかったことは、健康になることです。禁煙すると心臓発作や呼吸器症状、感染症などのリスクが低下し、肺機能や免疫機能が改善します。
また、肌荒れや歯茎の血色もよくなり、風邪を引きにくくなったり、味覚や嗅覚が回復したりすることもあります。タバコは味覚を鈍らせますので、禁煙すると味覚の感度が上がり、食事が美味しく感じるようになって、食べ物の味や香りを楽しむことができるようになります。
心臓病のリスク減少
タバコをやめると、心臓病のリスクがすぐに下がり始めます。15年間タバコをやめていれば、非喫煙者と同等の心臓病リスクになるとされています。
肺がんや他のがんのリスク減少
10年間タバコをやめると、肺がんのリスクが約半分になります。また、口腔、喉、食道、膀胱のがんのリスクも減少します。
呼吸機能の改善
禁煙すると喘息の症状が改善したり、運動時の呼吸が楽になる可能性があります。
血圧と脈拍の正常化
タバコをやめると、血圧と脈拍が正常化します。
血液の酸素供給の改善
喫煙による一酸化炭素の影響が減り、体全体の酸素供給が改善します。
口臭や体臭の改善
禁煙することで、タバコの煙による口臭や体臭がなくなります。
味覚と嗅覚の改善
タバコをやめると、食事の味や周囲の匂いをより良く感じるようになります。
肌の健康
喫煙は肌老化を早めますが、タバコをやめると喫煙による影響が減少し、肌の健康が改善します。
寿命の延長
喫煙は早死のリスクを高めますが、タバコをやめると平均寿命が延びます。
ストレスから解放される
タバコは時間や場所に制約を受けますが、禁煙するとそのストレスから解放されます。
家族や友人から喜ばれる
禁煙すると、タバコを吸う場所を探さなくてもよくなり、家族や友人との時間を邪魔されなくなりますので、周りの人からも喜ばれます。
タバコを吸い続けると家一軒分の出費になる
禁煙することでお金の節約にも繋がります。たとえば、マイルドセブン(現メビウス)は1977年から販売していますが、販売当初は1箱150円でした。1980年代には200円前後、2000年あたりでは1箱250円前後でした。
それが、2023年現在では1箱580円にまで値上げされています。日本でも大人気のマールボロ(マルボロ)ですが、こちらも2000年頃の価格は280円前後でしたが、その後、毎年のように値上げされ、現在は1箱あたり600円となっています。
1ヶ月のタバコ代が3万円~5万円以上
仮に、タバコを1日1箱吸う人なら1ヶ月で18,000円前後の出費です。仮に1日2箱~3箱となると1ヶ月のタバコ代だけで35,000円~50,000円以上もの出費になるのです。
高級車が一括で買えるほどの出費
何十年もタバコを吸い続けることを考えると、メルセデスベンツやBMW、レクサスなどの高級車が一括で買えるほどの出費になっているかもしれません。
気が付いたら家一軒分以上の出費になっている可能性もありますので、禁煙するメリットは非常に大きいと言えるでしょう。