寒暖差アレルギーとは、室内と外の温度差や季節の変わり目などの気温の変化に敏感に反応し、アレルギーの症状を引き起こすことを指します。寒暖差アレルギーは血管運動性鼻炎とも呼ばれる病気です。
主な症状としては、鼻水や鼻詰まり、喉の痒みや乾燥、頭痛、くしゃみ、目の痒みや充血などがあげられます。朝にくしゃみや鼻水などの症状が悪化する場合は、モーニングアタックの症状の可能性もあります。
モーニングアタックとは?症状や原因、予防法や対策・治し方
気温の変化は鼻の粘膜に影響を与え、アレルギー反応を引き起こす可能性があります。寒い天候では空気が乾燥し、これが鼻や喉の粘膜を乾燥させ、鼻や喉などがアレルギー物質に対してより敏感になります。また、温暖な天候では、植物の花粉の放出が増加し、これがアレルギー症状を引き起こす可能性もあります。
寒暖差アレルギーの特徴とは?
寒暖差アレルギー(血管運動性鼻炎)は、鼻の血管の過敏反応によって引き起こされる症状群を指します。具体的な病原体やアレルギー原因が明確に特定できない炎症反応が特徴です。
鼻の症状
寒暖差アレルギーは、鼻水、鼻詰まり、くしゃみ、鼻のかゆみなどが主な症状です。
急激な温度変化に対する反応
煙、塵、強い香り、乾燥した空気、湿度の変化、急激な温度変化などの環境的な要素やストレス、ホルモンの変化などに対する鼻の過敏反応が見られます。
アレルギーテストの陰性
アレルギー性鼻炎との違いの一つは、血管運動性鼻炎の場合、アレルギーテストが陰性であることが多いです。つまり、鼻の症状がアレルギーの原因によるものではないという証拠です。
持続性の症状
アレルギー性鼻炎は特定の季節や状況で症状が出やすいのに対し、寒暖差アレルギー(血管運動性鼻炎)は一年を通じて症状が出ることが多いです。
寒暖差アレルギーの症状とは?
寒暖差に敏感な人は、鼻水や鼻づまり、くしゃみや喉のかゆみなど、花粉症に似た症状が出ます。また、強い香り、タバコの煙、冷たい空気、乾燥した空気、湿度の変化、アルコール、特定の食物や飲み物、ストレスなどの様々な要因によって引き起こされることがあります。
鼻水や鼻づまり
鼻水や鼻づまりの症状は、鼻の粘膜が寒さや乾燥に反応し、鼻水を多く分泌したり、血管が拡張して鼻詰まりを引き起こすために起こります。
頭痛・だるさ
寒暖差により、血管が収縮したり拡張したりすることで、頭痛や体のだるさの症状が出ることがあります。
喉の痒みや乾燥
喉の痒みや乾燥は、空気の乾燥によって喉の粘膜が刺激されるために起こることがあります。
くしゃみ
くしゃみは鼻の粘膜が刺激を受けると起こる反射的な動作です。
充血や目の痒み
充血や目のかゆみは、乾燥した空気が眼球の表面・角膜を乾燥させ、炎症反応を引き起こす場合があるためです。
寒暖差アレルギーの原因とは?
寒暖差アレルギー(血管運動性鼻炎)の原因は、粘膜の乾燥によって敏感になり、アレルギー症状が出る場合があります。また、気温の変化による反応や血管の収縮と拡張によるアレルギー反応もあります。
環境的要素による原因
高温、低温、湿度の変化、空気の乾燥など、環境的要素が症状を引き起こす可能性があります。
感情的・身体的ストレス
ストレスや激しい感情、身体的なストレスなども、寒暖差アレルギー(血管運動性鼻炎)の症状を引き起こすかもしれません。
特定の食べ物や飲み物
アルコールや辛い食べ物、スパイシーな食材、カフェインなどが症状を引き起こすこともあります。
女性ホルモンの変化
ホルモンの変化も寒暖差アレルギー(血管運動性鼻炎)の症状を引き起こす可能性があります。たとえば、妊娠や月経周期、特定のホルモン疾患などで症状が悪化することがあります。
粘膜の乾燥による原因
寒い天候では空気が乾燥し、これが鼻や喉の粘膜を乾燥させる可能性があります。この結果、粘膜が刺激物質に対してより敏感になる可能性があります。一方、温暖な天候では鼻の粘膜が腫れ、鼻づまりや鼻水を引き起こす可能性があります。
気温の変化による免疫系の反応
気温の変化は、免疫系の反応を引き起こす場合があります。これにより、アレルギー症状のような反応を示す人がいます。
血管の収縮と拡張による原因
気温の変化は、体の血管を収縮させたり拡張させたりします。これは特に頭痛を引き起こす可能性があります。
寒暖差アレルギーのセルフチェック
寒暖差アレルギー(血管運動性鼻炎)のセルフチェックリストとして、気温の変化に対して体調を崩しやすいかを自己評価するための一般的なリストを記載します。
ただ、これは専門的な診断ツールではなく、自己評価や自己理解を深めるためのものとなりますので、何か異常があれば医療専門家に相談することが最も重要です。
症状のチェックリスト
1.気温が大きく変化すると、鼻水や鼻詰まりが出やすいですか?
2.気温が上がったり下がったりすると、くしゃみが出やすくなりますか?
3.気温が下がると喉が痛くなったり、乾燥したりしますか?
4.温度が大きく変化すると、頭痛が起こりますか?
5.寒い時や暖かい時に目の痒みや充血が起こりますか?
6.外の気温が大きく変化すると、特に症状が悪化しますか?
7.気温が安定している時は症状が軽減しますか?
上記の質問に「はい」と答えることが多い場合、あなたは気温の変化に対して体調を崩しやすい傾向があります。
寒暖差アレルギーが風呂上りに出やすい理由
お風呂上りに鼻水や鼻詰まり、頭痛や喉の痛み、目のかゆみなどの症状が出やすい理由はいくつかあります。
また、風呂上りに症状が出るかどうかは、その日の体調やその人の体質によりますので、風呂上がりに症状が出る人もいれば出ない人もいます。もし風呂上がりに症状が出る場合は、風呂から出る際に体温が急激に下がらないようにする、又は風呂上がりに保湿をする、お風呂の時間を短くするなどの対策を試してみることが有効です。
急な体温変化
風呂に入ると体温が上昇し、体は暖かさに慣れます。しかし、風呂から上がるとすぐに体温が下がるため、この急な体温変化が体調を崩しやすい人の症状を引き起こすことがあります。
身体の乾燥
風呂上がりには身体が乾燥しやすくなり、この乾燥が特に目や鼻、喉の粘膜を刺激し、これらの部分が過敏に反応し、アレルギーの症状を引き起こすことがあります。
血管の急激な変化
暖かい風呂に入ると血管が拡張し、風呂から出ると急速に収縮します。この急激な変化が、頭痛やめまいなどの症状を引き起こすことがあります。
血管運動性鼻炎とアレルギー性鼻炎の違い
血管運動性鼻炎とアレルギー性鼻炎は、両者とも鼻の症状を引き起こすため、しばしば混同されます。しかし、血管運動性鼻炎とアレルギー性鼻炎の状態は、いくつかの重要な面で異なります。
アレルギー性鼻炎の違い
アレルギー性鼻炎は、特定のアレルゲン(花粉、ダニの糞、カビの胞子、動物のフケなど)に対する免疫系の過剰反応により引き起こされます。主な症状は鼻水、鼻づまり、くしゃみ、鼻や目のかゆみなどです。症状は花粉症などの季節であったり、ダニアレルギーは年間を通じて発生することがあります。
血管運動性鼻炎の違い
血管運動性鼻炎は、アレルギー反応によるものではなく、鼻腔内の血管が過敏に反応し、鼻の粘膜が腫れたり、過剰な鼻水が産生されたりする状態を指します。この状態は、温度や湿度の環境の変化、強い香りや煙などの刺激物、アルコールやスパイシーな食物、ストレスなどに対する反応として引き起こされることが多いです。
主な違いは、アレルギー性鼻炎は特定のアレルゲンに対する体の免疫反応であり、血管運動性鼻炎は特定のアレルゲンによるものではない点です。また、アレルギー性鼻炎はアレルギーテストで確認することができますが、血管運動性鼻炎はアレルギーテストが陰性であることが特徴です。
寒暖差アレルギーを改善するには?血管運動性鼻炎の治療方法
血管運動性鼻炎は、鼻の血管の過敏な反応によって起こる病状で、原因が特定しにくいことが特徴的です。また、血管運動性鼻炎の治療は、主に症状の緩和と発作の頻度や重症度の低下を目指します。具体的な治療方針は、個々の患者の症状や体調によりますので、医療専門家と相談することが重要です。
生活環境の改善
症状を引き起こす可能性のある刺激物を避けることが、基本的なアプローチとなります。これには、煙、塵、強い香り、乾燥した空気、湿度の変化、急激な温度変化などが含まれます。たとえば、空気清浄機や加湿器の使用、家の中のダストを減らすための清掃、タバコを吸わない環境の維持などが役立つかもしれません。
ライフスタイルの改善
ストレスの管理や健康的なライフスタイルの維持も重要です。適度な運動やバランスの摂れた食事、充分な睡眠などが心身の健康を維持し、体の過敏反応を抑えることに役立つ可能性があります。
薬物療法
医師の指示に基づき、特定の薬物が使用されることもあります。鼻スプレー型のステロイドや抗ヒスタミン薬が一般的に使用されます。これらは鼻の腫れや鼻水を抑制することで症状を軽減します。
血管運動性鼻炎の漢方治療の効果とは?
血管運動性鼻炎の治療については、西洋医学だけではなく漢方治療も選択肢となることがあります。漢方治療は体全体のバランスを調整し、自己治癒力を高めることを目指すため、一部の患者にとっては効果的な治療法となる可能性があります。
麻黄附子細辛湯(マオウブシサイシントウ)
風邪の初期症状や鼻水、くしゃみ、鼻づまりなどの鼻炎症状に効果があります。
柴胡桂枝湯(サイコケイシトウ)
頭痛や鼻炎などの風邪の初期症状、又は頭部の痛みや圧迫感に効果があります。
黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)
鼻炎、口内炎、皮膚炎などの症状に効果があります。