ショートニングとは

ショートニングとは、パンやケーキ、クッキーなどの製造でバターやラードの代用として使用される食用油脂です。ショートニングは高い加熱安定性を持っており、高温での調理に適しています。また、他の油脂に比べて風味が少ないため、製品の風味を邪魔しないという特性もあります。

ただ、ショートニングは飽和脂肪酸が多く含まれるため、健康上の観点から摂取量に注意が必要です。特に一部のショートニングはトランス脂肪酸を含むことがあり、これは心臓病や癌のリスクを高めるとされています。

ショートニングの名称は、英語のshortから来ており、これはショートニングがパイやビスケットのような製品を作る時に、食品の食感を短くする効果(サクサクとして口どけが良い)を指しています。
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ショートニングの特徴とは?

ショートニングの特徴

ショートニングは料理やベーキングによく使用される食用油脂で、高い耐熱性と長期保存ができる特徴があります。また、ショートニングは無味・無臭で、パンやクッキーなどに使うとさっくりと焼き上がる特徴もあります。

固形油脂

ショートニングは室温では固形状態で、これはパイ生地やクッキーなどの調理において、非常に重要な役割を果たしています。

高い耐熱性

ショートニングは高温に耐えることができ、煙点が高いため、フライ料理によく使われます。

無味無臭

ショートニングはほとんど風味がなく、色も白か透明なので、料理のレシピに影響を与えずに使用することができます。

長期保存が可能

ショートニングは酸化しにくく、室温でも長期間の保存が可能です。

飽和脂肪酸とトランス脂肪酸を含む

ショートニングは部分的に水素化される過程で飽和脂肪酸とトランス脂肪酸を多く含むことがあります。これらは心臓病のリスクを高めると広く認識されています。

ショートニングとマーガリンの違い

ショートニングとマーガリンの違い

ショートニングとマーガリンは、共にベーキングや料理に使われる脂肪酸ですが、いくつかの重要な違いがあります。

成分の違い

ショートニングは100%脂肪で、通常は水分や他の成分を含んでいません。一方、マーガリンは80%程度が脂肪で、残りは水分やミルク成分、塩、色素、風味付けなどの成分からなります。

風味の違い

ショートニングは中立的な味わいで、ほとんど風味がありません。そのため、ショートニングは料理やベーキングの際に、他の成分の風味を邪魔しないという利点があります。逆に、マーガリンにはバターのような風味があり、それ自体が料理やベーキング製品に風味を追加します。

固形と液体の違い

ショートニングは、固形、又は半固形の状態で販売され、溶けると透明な液体になります。マーガリンは、棒状、又はチューブ入りで販売され、溶けると白やクリーム色の液体になります。

健康への影響の違い

ショートニングは飽和脂肪酸が多く、一部のショートニングはトランス脂肪酸を含むことがあります。マーガリンは、以前はトランス脂肪酸を多く含んでいましたが、健康への懸念から多くの製造業者がトランス脂肪酸の量を減らすか、完全に排除した商品を製造しています。

ショートニングとラードの違い

ショートニングとラードの違い

ショートニングとラードにも、いくつかの重要な違いがあります。

起源と成分の違い

ラードは豚の脂肪から作られ、その大部分は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸からなります。ショートニングは植物性の大豆油やパーム油などの脂肪から作られ、部分的に水素化されることがあります。これによりショートニングは固形になり、飽和脂肪酸の量が増えることがあります。

風味の違い

ラードは特有の風味があり、それが料理やベーキング製品に追加の風味をもたらします。ショートニングは無味無臭で、ほとんど風味がありません。

用途の違い

ショートニング・ラード共にパイ生地やビスケット、フライ料理などに使用されますが、その風味や食感の違いから適した用途が異なることがあります。たとえば、ラードはその風味が特徴のパイやタルトに好まれ、ショートニングは無味無臭な風味からクッキーやケーキによく使用されます。

健康への影響の違い

ラードは飽和脂肪酸が多いですが、トランス脂肪酸は含みません。ショートニングは部分的に水素化される過程でトランス脂肪酸が生成されます。そのため、トランス脂肪酸は心臓病のリスクを高めるとされています。

ショートニングのメリットとは?

ショートニングのメリット

ショートニングは、料理や加熱処理において多くの利点を持っています。ただ、ショートニングは飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を多く含むため、適度な摂取量にすることが重要です。また、可能であればトランス脂肪酸の含有量が少ない商品、又はトランス脂肪酸が含まれていないショートニングを選ぶことが推奨されます。

サクサク感や食感がよくなる

ショートニングはパイ生地やクッキーにサクサクとした食感をもたらします。これはショートニングが高い固形脂肪の割合を持つためで、これが焼き上がりの食感に影響を与えます。

耐熱性や保存性に優れている

ショートニングは高い熱に耐えることができ、室温でも安定しており、長期間の保存も可能です。

味や風味に影響が出ない

ショートニングは無味無臭のため、料理やお菓子などの味や風味に影響を与えないため、様々な調理法に適しています。

バターやマーガリン、ラードなどの代替品

大豆やパームなどの植物性脂肪から作られるショートニングは、乳製品に対するアレルギーやラクトース不耐症のある人にとって、バターやマーガリンなどの他の乳製品の代替品として利用できます。

ショートニングが入った食べ物とは?

ショートニングが入った食べ物

ショートニングは料理やベーキングで広く使われており、様々な食品に含まれていることがよくあります。普段、何気なく食べている食品にもショートニングを使っている場合があります。

また、食品によってはショートニングを主成分として使用している可能性もありますが、具体的な成分は製品により異なります。ショートニングの含有量を把握するためには、製品の成分リストや栄養情報をチェックすることが重要です。

ベーキング製品

ショートニングは、パイ生地、クッキー、ビスケット、ケーキ、ドーナツなどのベーキング製品によく使用されます。ショートニングの使用により、もっちりした食感やサクサクした食感を得ることができます。

フライドフード

ショートニングの高い耐熱性は、フライドチキン、フレンチフライ、フリッターなどのフライドフードに理想的です。

マーガリン

ショートニングは、しばしばマーガリンの製造に使用されます。

クリームフィリング

ショートニングは、お菓子やパイのクリームフィリングに使用されます。

ショートニングのデメリットとは?ショートニングの身体への影響

ショートニングのデメリット

ショートニングはいくつかの利点がありますが、同時にいくつかの欠点もあります。そのため、ショートニングの使用は出来る限り控え、特に風味や健康上の観点から、オリーブオイルやアボカドオイルなどのヘルシーなオイル、又はバターなど、他の商品を使うことも重要です。

健康上のリスク

ショートニングは部分的に水素化される過程で飽和脂肪酸とトランス脂肪酸を多く含むことがあります。これらは悪玉コレステロールのLDLコレステロールを増加させると共に、善玉コレステロールであるHDLコレステロールを減少させる可能性があり、心臓病のリスクが高まるとされています。また、トランス脂肪酸の摂取が、癌のリスクを高める可能性が示唆されています。

食物アレルギーのリスク

ショートニングは大豆油やパーム油から作られることが多いため、これらの食品に対するアレルギーを持つ人にとっては問題となることがあります。

ショートニングの危険性とは?

ショートニングの危険性

ショートニングは、一般的に食品製造に広く使われていますが、摂取にはいくつかの注意点があります。

飽和脂肪酸

ショートニングは飽和脂肪酸が高いです。飽和脂肪酸は摂取過多になると心臓病や高血圧のリスクを増加させる可能性があります。そのため、飽和脂肪酸の摂取は全体のカロリー摂取の10%以下にすることが推奨されています。

トランス脂肪酸

ショートニングにはトランス脂肪酸が含まれています。トランス脂肪酸はLDLコレステロールを増加させ、HDLコレステロールを減少させる可能性があり、心臓病のリスクを増加させます。

高カロリー

ショートニングは高カロリーであり、過剰摂取は肥満のリスクを高めます。

ショートニングはなぜ体に悪いのか?

ショートニングはなぜ体に悪いのか

ショートニングは飽和脂肪酸とトランス脂肪酸を多く含む食用油脂です。そのため、ショートニングの脂肪酸を過剰に摂取すると、様々な健康問題を引き起こす可能性があるため、体に悪いとされています。

また、国によってはトランス脂肪酸の禁止や使用制限を行っている国もあります。たとえば、デンマークでは2003年に世界で初めてトランス脂肪酸の使用を法的に制限しました。近年では、米国、中国、カナダ、スイス、オーストリア、ブラジル、アルゼンチンなど、トランス脂肪酸の禁止や制限を行っている国が増えています。

ショートニングの発がん性は?

ショートニング自体が直接的な発がん性を持つという科学的な証拠は、現時点では確立されていません。しかし、ショートニングは飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を含むことがあり、これらの脂肪酸は心臓病リスクを高めると広く認識されています。

一部の研究では、トランス脂肪酸の摂取が乳がんや大腸がんのリスクを高める可能性が示唆されていますが、結論はまだ出ていません。また、過度なショートニングの摂取はカロリー摂取量を増加させ、これが肥満のリスクを高める場合があります。肥満は乳がん、大腸がん、肝がん、胃がん、膵がんなどのリスクを増加させるとされています。

そのため、ショートニングの摂取は適度に控えめにし、バランスの良い食事を心掛けることが重要です。可能な限りトランス脂肪酸の含有量が少ない、又は入っていないショートニングを選ぶことが大切です。

オーガニックショートニングとは?

オーガニックショートニングとは

オーガニックショートニングは、有機認証(オーガニック認証)を受けた原材料から作られたショートニングのことを指します。この有機認証は、原材料が特定の基準を満たしていることを保証します。これらの基準には化学肥料や農薬の使用を避け、遺伝子組み換えの作物を使用しないなどが含まれます。

オーガニックショートニングは、パームオイル、大豆油、サフラワーオイル、ココナッツオイルなどの植物性オイルから作られます。これらのオイルは部分的に水素化されることがあり、これにより固形状態のショートニングが作られます。

オーガニックショートニングの安全性は?

最近では、トランス脂肪酸を含まないオーガニックショートニングも増えてきています。これらは完全に水素化された油ではなく、自然に固形状態のパームオイルやココナッツオイルなどのオイルをベースにしています。しかし、オーガニックであってもショートニングは高カロリーであり、飽和脂肪酸を多く含む可能性があるため、健康を考慮に入れて適度に使用することが重要です。