腹八分目とは、日本の伝統的な健康観で、食事をする時に腹を十分に満たすのではなく、80%ほどの八分目でやめておくという考え方です。腹八分目にすることで、過食を防ぎ、消化器系の負担を軽減し、健康を維持するための方法とされています。
また、この概念は食事だけでなく、日常生活のあらゆる面にも適用されることがあります。つまり、全力で物事を追求するのではなく、ある程度の余裕をもって生活するという考え方でもあります。腹八分目の考え方はストレスを抑え、身体と心の健康を保つ上でも重要とされています。
地中海式食事法とは?特徴やメニュー、ダイエットや美容効果
腹八分目の目安は?腹八分目はどれくらい?
腹八分目は、あくまでもその人の満腹感を目安にする表現です。そのため、腹八分目はご飯が何g、おかずは何gというように、具体的な量が決まっているわけではありません。腹八分目の量は、その人の体格、活動量、食事の内容などによって異なります。
ただ、一般的な目安としては、自分が満腹だと感じる量のおおよそ80%くらいまで食べるということを意味します。食事の途中で「まだ少し食べられるかな」と思った時点で止めるというのが「腹八分目」です。
腹八分目は「まだ食べられる」と感じる瞬間を見極めることが重要で、そのためには食事をゆっくりと摂り、自分の体がどの程度満腹であるかをしっかりと感じ取ることが必要となります。
DASHダイエットとは?やり方やレシピ、メリットやデメリット
ダイエットをするなら1日1500Kcalが目標
ダイエットを目的とした腹八分目なら、1日の摂取カロリーを1500Kcal以内に抑えることが重要です。
一般的な成人男性の1日の必要カロリーは2200kcal~2400kcalです。一般的な成人女性の1日の必要カロリーは1800kcal~2000kcalとなります。そのため、男性でも女性でも1日の摂取カロリーを1500Kcal以内に抑えることができれば、必然的に体重が減っていきます。
1食あたり500Kcal以下に抑える
1日の摂取カロリーを1500Kcal以内にするためには、1食あたり500Kcal以下に抑える必要があります。おやつやジュースなどを考えると、1食あたり400Kcal前後の食事が理想です。ご飯のカロリーは100gあたり156Kcalとなりますので、1食あたりのご飯の量は、お茶碗に軽く一杯の150g(234Kcal)が良いでしょう。
ご飯150gに焼き魚やサラダをプラスすると、おおよそ400Kcal~500Kcalになりますので、腹八分目の量としてもちょうど良い食事です。
腹八分目のダイエット効果とは?
腹八分目のダイエットは、主にカロリー摂取量の自然な制限によるものです。腹八分目で食事をすることは、食事の量を自然と抑えることに繋がり、結果としてカロリー摂取量が減少します。腹八分目は体重管理やダイエットに非常に有効です。
また、腹八分目は単に食事量を減らすだけでなく、食事と健康、そして満足感とのバランスを取ることを意味します。一時的なダイエット方法ではなく、持続可能な食事習慣の一部として取り入れることが重要です。必要な栄養素をしっかりと摂りながら、自分自身が快適に感じる食事の量を見つけることです。
腹八分目のストレスを解消するには?
腹八分目にストレスを感じたら、気分転換をすることが重要です。たとえば、体を動かしたり、趣味に没頭したり、映画を観たり音楽を聴くことも良いでしょう。
また、毎日ストイックに実践するのではなく、たまには好きなものをお腹いっぱい食べることも必要です。ダイエットは長く続けることが重要となりますので、あまりにもストイックにやりすぎると疲れて嫌になってしまうこともあります。そのため、1週間に1度、1ヶ月に数回と回数を決めて、好きなものを食べるというのもストレス解消に効果的です。
食事を腹八分目で抑えるコツとは?
普段の食事を腹八分目で抑えるためには、一口ずつゆっくり噛んで食べることです。ゆっくり時間をかけて食べることで、満腹感が得られやすくなります。
また、水分を多めに摂ることも重要です。水分を摂ることで、ある程度の満腹感を得ることができますので、普段から水を多く飲むことは大切です。
ゆっくり食べる
一口をよく噛んで、食事をゆっくりと楽しむことで満腹感を感じやすくなります。食べるスピードが速いと、脳が満腹になったという信号を受け取る前に過食してしまうことがあります。
水分を多めに摂る
食事前に水を飲むことで、胃がある程度満たされ、過食を防ぐことができます。
小さな皿を使う
大きな皿には多くの食事を盛りつける傾向があるため、小さな皿を使うことで食べる量を自然と減らすことができます。
たんぱく質や食物繊維が豊富な食材を選ぶ
たんぱく質や食物繊維が豊富な食事は満腹感を得やすく、食事量を自然と抑えることができます。
食事の間隔を一定に保つ
食事の間隔が不規則だと、空腹感が強くなり過食に繋がることがあります。一定の間隔で食事を摂ることで、食事量をコントロールしやすくなります。
感謝の意識を持つ
食事をする前に、食べ物への感謝の気持ちを持つと、食事への注意が向き、食べ過ぎを防ぐことができます。
腹八分目の効果やメリットとは?
腹八分目には、消化器官への負担が軽減や血糖値の急激な上昇を抑える効果、体重維持のメリットなど、数多くの健康的な効果があります。
消化器官への負担の軽減
過度な食事は胃の運動や消化機能が低下し、消化器官への負担が増します。一方、腹八分目にすると、消化器官への負担が軽減され、健康状態を維持しやすくなります。
体重管理・体型維持の効果
適切な量を食べることで、過剰なカロリー摂取を防ぎ、体重の増加を抑えることができます。肥満や2型糖尿病、心臓病などのリスクを減らす上でも重要です。
血糖値の急激な上昇を防ぐ効果
適度な量の食事は血糖値の急激な上昇を防ぎ、血糖値を安定させる助けとなります。これは特に糖尿病予防に有効です。
長寿効果
適度なカロリー摂取は、寿命を延ばす可能性があるといくつかの研究で示されています。
食事の楽しみが増える
「まだ少し食べられるかな」と思った時に食事を止めると、食べ物への欲求を次回の食事に持ち越すことができますので、食事への楽しみを維持する上で役立ちます。
食費の節約
腹八分目を実践することで、自然と食べる量が減るため、食費を節約することが可能です。
自己コントロール力の向上
自分の食事量をコントロールすることは、自己制御力を鍛える良い機会でもあります。腹八分目は食事だけでなく、他の生活の面でも役立つスキルです。
腹八分目のデメリットとは?
腹八分目には多くのメリットがありますが、やり方を間違えると栄養不足になるデメリットがあります。また、極端な食事制限をしてしまうと逆効果になりますので、あくまでも腹八分目(8割程度)を実践することが重要です。
栄養不足に繋がる
腹八分目を行う際に、食事の質が低いと必要な栄養素が不足する可能性があります。特に子供や高齢者、妊娠中の女性などは食事から大部分の栄養を得ていますので、注意が必要です。
満腹感の誤解・極端な食事制限
腹八分目は満腹感を80%に抑えることを目指しますが、この「80%」がどれくらいかは個々の感覚に大きく依存します。腹八分目の目安を誤って解釈し、食事量を過度に制限してしまうと、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
食事のストレス
食事量を制限することがストレスになり、食事を楽しむことが難しくなることもあります。
腹八分目で物足りない時の対処法
腹八分目を実践していると、時折物足りなさを感じるかもしれません。腹八分目はあくまで目安です。自分が本当に空腹で、エネルギーが必要な時は適切な量を食べることが大切です。毎回完全に腹八分目である必要はなく、自分の体調や活動量に応じて適切に調整することが重要です。
食事の環境を整える
食事の環境を整え、注意深く食べることで、少量でも満足感を得やすくなります。
適度な運動
軽い運動を行うことで、食事の消化を助け、空腹感を抑えることができます。
ストレスの解消やストレス発散をする
食事以外の方法でストレスを管理することも重要です。ストレスが溜まると、食べたい欲求が増加することがあります。
食事の回数を増やす
長時間に渡って空腹を我慢すると、次の食事で過食になりがちです。そのため、1回の食事量を減らし、その分、回数を増やすことで、空腹を抑えることができるようになります。ただし、普段と同じ量で食べる回数を増やしてしまうと単に食べ過ぎとなりますので、食事の量やバランスを考えながら実践すると良いでしょう。
腹八分目に医者いらずの意味とは?
「腹八分目に医者いらず」という日本のことわざは、適度な食事量を保つことで健康を維持し、病気を予防することができるという意味を持っています。
生活習慣病の予防になる
適切な食事量を摂ることで、過食による消化器官への負担や肥満、それによる生活習慣病のリスクを減らすことができます。医者いらずは、病気を予防し、医者の訪問を必要としない状態を維持するという意味です。